インハウスアライナー矯正の新時代:2025年日本アライナー矯正科研究会レポート
今回は、2025年9月に開催された日本アライナー矯正科研究会について、歯科矯正の最前線で起きている革新的な変化をご紹介します。
3つの大きな変化:成長・革新・未来
1. 目覚ましい成長
2014年から2023年まで外注型アライナーの研究会を続けてきましたが、菅原準二先生のアドバイスにより、「10年経つと時代が変わる」という考えから、2024年よりインハウスアライナー矯正研究会として新たなスタートを切りました。
外注型アライナーは、アメリカでは1998年、ヨーロッパでは2001年から始まり、すでに26〜27年の歴史があります。その技術はある程度成熟しているため、これからの可能性はインハウスアライナーにあると考えています。
今年の研究会では、昨年と比較して日本の先生方の発表レベルが飛躍的に向上し、治療が完全に仕上がった症例が多数発表されました。また、日本の先生方が海外でも講演する機会が増え、インターナショナルスピーカーとして成長している姿が印象的でした。
2. ゲームチェンジャーの登場:革新的な素材
今までアライナーは自分で作れないと思われていましたが、3Dプリンター技術の高性能化により、状況が一変しました。
従来のアライナー素材は単層のプラスチックから3層、5層へと進化してきましたが、今回注目されたのは形状記憶機能を持つダイレクトプリントアライナーです。この新素材により、これまでできなかった治療が可能になりました。
アタッチメント不要の矯正治療
今回の研究会の大きなトピックの一つが「アタッチメントを使わない矯正治療」でした。多くの先生方がアタッチメントなしで治療を成功させた症例を発表されました。
アタッチメント不要のメリット:
- エナメル質へのエッチングが不要
- ホワイトスポット(白濁)のリスク軽減(論文では10〜30%のリスクがあると報告されています)
- アタッチメントが外れるなどの緊急対応が不要
- チェアタイム(診療時間)の短縮
- 混合歯列期(乳歯と永久歯が混在する時期)の対応が容易
特にお子様の矯正治療では、外注型だと歯が抜けてから新しいアライナーが届くまで1ヶ月かかることもありますが、インハウスなら2ヶ月に1回の通院でどのような状態にも対応できます。
3. 未来を見据えた展開
今回の研究会から、インハウスアライナーを**「グラフィーアライナー」**という名称で統一することになりました。これは韓国の企業が開発した、体温37度で形状記憶機能を発揮するダイレクトプリントアライナーです。
グラフィーアライナーは世界的に注目されており、アメリカのセントルイス大学やコネチカット大学、ドイツの研究者らによる論文も多数発表されています。2024年11月には、Journal of Clinical Orthodontics(JCO)という権威ある学術誌にも論文が掲載されました。
研究会の特徴:チーム医療の重要性
今回の研究会では、歯科医師だけでなくスタッフの方々も一緒に発表する形式を取りました。実際に院内でどのように製作しているのか、バックサイドでどのように支えているのかをリアルに知ることができる貴重な機会となりました。
10年前との比較
2014〜2015年頃と比較すると、外注型アライナーだけの時代ならそれほど大きな変化はなかったかもしれません。しかし、インハウスアライナー、特に形状記憶素材の登場により、矯正治療は劇的に進化しました。
タイムマシンで10年前の自分が今の研究会を見たら、きっと驚くほどの変化です。
これから学びたい方へ
インハウスアライナー矯正に興味のある歯科医師の先生方には、夜間コース(オンライン)やクリニカルコース(対面)での学習をお勧めします。
外注型からインハウスへの移行を実際に経験した講師陣から、最新の知識と技術を学ぶことができます。
また、研究会に参加できなかった方も、9月16日からオンデマンド配信が開始されますので、ぜひご覧ください。スピーカーの先生方やスタッフさんへのインタビューなど、オンデマンド限定のコンテンツも用意されています。
まとめ
歯科矯正治療は今、大きな転換期を迎えています。新しい素材と技術により、より患者様に優しく、効率的な治療が可能になってきました。2026年の研究会では、さらにどのような進化が見られるのか、今から楽しみです。
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