抜歯矯正でやってはいけないアライナー矯正治療の進め方〜患者様向け〜

抜歯矯正でやってはいけないアライナー矯正治療の進め方〜患者様向け〜

マウスピース矯正を成功させるために知っておきたい大切なこと

ごきげんよう、尾島です。今日は矯正治療を受けている患者さま、そしてこれから矯正治療を検討されている方に、ぜひ知っていただきたい大切なお話をします。

矯正治療は「覚悟」が必要です

矯正治療を始めるということは、強い意思を持って取り組む覚悟が必要ということです。「よし、やるぞ!」という気持ちで治療に臨んでいただきたいのです。

マウスピース矯正は、ワイヤー矯正と比べて快適で、痛みも少なく、食事の制限もほとんどありません。多くのメリットがある治療法です。しかし、矯正治療をしているという事実は変わりません。決められたルールをしっかり守らなければ、良い結果は得られないのです。

使用時間と交換日数は絶対に守ってください

実際にあった事例

先日、ある患者さまがマウスピースの使用時間が短くなってしまい、交換日数を大幅に延ばして使用されていました。その結果、予定より80日も治療が遅れてしまったのです。

これは単に「もったいない」というレベルの問題ではありません。治療結果そのものに影響する重大な問題なのです。

なぜ使用時間と交換日数が重要なのか

歯を抜いたスペースがある場合、骨は徐々に痩せていってしまいます。この骨が痩せる前に、速やかに歯を動かしていく必要があるのです。骨が痩せてしまうと、歯を動かすことができなくなってしまいます

だからこそ、決められた交換日数を守って、速やかに治療を進めることが絶対に必要なのです。

「1日20時間以上」の使用は絶対条件

よくある間違った考え方

頭の良い患者さまほど、こんな計算をされることがあります。

「1日20時間使用で7日交換なら、1日10時間使用なら14日(2週間)交換でいいですよね?」

これは大きな間違いです!

正しい理解

ワイヤー矯正は24時間ずっと歯を動かし続けています。マウスピース矯正で良い結果を出すためには、1日24時間のうち最低でも20時間以上の使用が必須なのです。

1日10時間しか使用しない場合、残りの14時間は歯が元に戻ろうとしています。この「戻っている時間」が長いと、いくら使用日数を延ばしても結果は出ません。

使用時間が20時間を切ると、ほとんど歯は動かないのです。

矯正中の日常生活について

「食後に食べ物が歯に挟まって、歯磨きが面倒くさい」と感じることもあるでしょう。しかし、これは覚悟が足りないということです。

ワイヤー矯正の場合、食後は必ず食べ物が装置に挟まります。歯磨きをせずに過ごすことは絶対にできません。

マウスピース矯正はワイヤー矯正と比べてかなり楽です。でも、楽だからといって覚悟が少なくていいわけではありません。アプローチの方法が違うだけで、矯正治療をしているという事実は同じなのです。

まとめ:治療を成功させるために

  • 1日20時間以上のマウスピース装着を必ず守る
  • 指定された交換日数を厳守する
  • 歯磨きなど日々のケアを怠らない
  • 強い意思を持って治療に取り組む

決められた時間と日程を守らないと、骨が痩せてしまい、治療が確実に悪い方向に進んでしまいます。

矯正治療は、あなたの人生をより良くするための投資です。ぜひ、しっかりとした覚悟を持って、ルールを守って治療を進めていきましょう。

矯正治療が必要かどうか迷われている方へ

ご自身に矯正治療が必要かどうかは、尾島先生の無料矯正相談で確認できます。まずはお気軽にご相談ください。

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矯正治療後の保定装置、どれを選ぶ?マウスピース矯正経験者に最適なリテーナーとは

ごきげんよう 尾島です
今日は、患者様からよくいただくご質問にお答えします

矯正治療後の保定装置、どれを選ぶ?マウスピース矯正経験者に最適なリテーナーとは

矯正歯科治療が終わった後、美しい歯並びを維持するために欠かせないのが「保定装置(リテーナー)」です。せっかく時間をかけて整えた歯並びも、保定装置を正しく使わないと後戻りしてしまう可能性があります。

今回は、矯正治療後の保定装置について、それぞれの特徴と、特にマウスピース矯正を受けた方に最適な選択肢をご紹介します。

保定装置は大きく分けて3種類

矯正歯科治療後に使用する保定装置には、主に3つのタイプがあります。

1. 固定式リテーナー(リンガルリテーナー)

歯の裏側にワイヤーを接着するタイプの保定装置です。一般的には犬歯から犬歯(前歯6本)の裏側に細いワイヤーを固定します。

このタイプが選ばれる理由:

従来のワイヤー矯正(マルチブラケット装置)で治療を受けた患者様は、治療中ずっと固定式の装置を使用してきたため、自分で取り外す習慣がありません。そのため、取り外し式の保定装置だと「つい忘れてしまう」ことが多いのです。

矯正装置が外れた開放感から、保定装置の装着を忘れてしまい、気づいたら歯並びが後戻りしていた…というケースは少なくありません。固定式リテーナーなら、24時間装着されているため、そうした心配がありません。

2. ベッグタイプ・ホーレータイプ(床矯正装置型リテーナー)

入れ歯のような形状で、表側にワイヤー、裏側にプラスチックのプレートがあり、カチッとはめるタイプの保定装置です。大学病院の矯正歯科などでもよく使用されています。

このタイプの特徴:

最大の特徴は、噛む面(咬合面)が露出していることです。表側のワイヤーと裏側のプラスチックで歯列を両側から支えながらも、上下の歯が直接噛み合うことができます。

この特性により、以下のメリットがあります:

  • 微調整が可能: わずかな後戻りがあっても、ワイヤー部分を調整することで歯を正しい位置に戻すことができます
  • 最終的な噛み合わせの確立: 歯には自然に噛み合う位置へ動く習性があります。噛む面が露出しているため、この自然な力を利用して、最終的な噛み合わせを作り上げることができます

ワイヤー矯正では、治療の最終段階で細かい調整が難しいケースもあるため、保定期間中に理想的な噛み合わせを完成させる目的で、このタイプが推奨されてきました。

3. クリアリテーナー(透明マウスピース型保定装置)

透明なマウスピース型の保定装置で、歯列全体を覆うタイプです。

マウスピース矯正経験者にはクリアリテーナーが最適な理由

当院では、マウスピース矯正で治療を受けた患者様には、クリアリテーナーをおすすめしています。その理由を詳しくご説明します。

1. すでに装着習慣が身についている

インビザラインなどのマウスピース矯正では、1日20時間の装着が基本です。1年〜2年間、毎日20時間装着し続けてきた患者様にとって、この習慣はすでに生活の一部となっています。

矯正治療が終わってリテーナーに移行しても、同じように20時間装着することに抵抗がありません。むしろ、慣れ親しんだ装着感のほうが安心感があります。

さらに、保定期間が進むにつれて、装着時間を段階的に減らしていきます:

  • 最初の数ヶ月:20時間
  • その後:15時間→12時間→10時間
  • 最終的には就寝時のみ

このように徐々に減らしていくことで、無理なく保定を続けられます。

2. マウスピース矯正は精密な噛み合わせ調整が得意

「噛む面が覆われていると、最終的な噛み合わせの調整ができないのでは?」と思われるかもしれません。

しかし、インビザラインをはじめとするマウスピース矯正は、0.25ミリ単位での精密なコントロールが可能です。この微細な移動精度により、ワイヤー矯正と比較しても、理想的な噛み合わせを実現することが得意なのです。

治療の最終段階で、狙った位置にピタリと歯を移動させることができるため、保定装置で噛む面を覆っていても問題ありません。むしろ、噛む力を全体に分散できるメリットがあります。

3. 快適性と審美性に優れている

ベッグタイプなどの従来型リテーナーと比較すると、クリアリテーナーには以下の利点があります:

快適性:

  • ワイヤーがないため違和感が少ない
  • 薄く軽量で、装着していることを忘れるほど
  • 発音への影響が最小限

審美性:

  • 透明なので目立たない
  • 人と話す時も気にならない
  • 日中も自信を持って装着できる

4. 清潔で衛生的

固定式リテーナーとの大きな違いは、取り外して洗浄できる点です。

  • 歯垢(プラーク)が溜まりにくい
  • 歯石の付着リスクが低い
  • リテーナー自体も毎日洗浄できる
  • お口の中を常に清潔に保てる

矯正歯科治療後も、歯の健康を維持することは非常に重要です。清掃性の高いクリアリテーナーは、虫歯や歯周病のリスク軽減にも貢献します。

5. 最も強力な保定力

クリアリテーナーは、歯を360度全方向から包み込む構造です:

  • 頬側(唇側):外側からサポート
  • 舌側:内側からサポート
  • 噛む面:上下方向からサポート

3方向すべてを覆うことで、あらゆる方向への歯の移動を防ぎ、最も強力な保定効果を発揮します。

6. デジタルデータで後戻りにも即対応

当院では、すべての患者様の歯並びをデジタルスキャンでデータ保存しています。

従来のように粘土のような材料で歯型を取り、石膏模型を作成する必要はありません。デジタルデータが残っているため:

  • 万が一わずかな後戻りがあっても即座に対応可能
  • 新しいクリアリテーナーを素早く作製できる
  • 追加の歯型取りが不要で患者様の負担が少ない

わずかな後戻りであれば、新しいクリアリテーナーで短期間で元に戻すことができます。これは、デジタル矯正歯科ならではの大きなメリットです。

クリアリテーナーが選ばれる理由まとめ

マウスピース矯正を受けた患者様にクリアリテーナーが最適な理由をまとめると:

習慣化されている – 1日20時間の装着に慣れている
快適 – 透明で目立たず、違和感が少ない
清潔 – 取り外して洗浄でき、衛生的
強力な保定力 – 360度全方向から歯をサポート
後戻り対応 – デジタルデータで素早く再作製可能

これらすべての利点を兼ね備えたクリアリテーナーは、マウスピース矯正後の保定装置として、これ以上ないほど理想的な選択肢だと言えます。

まとめ:美しい歯並びを一生の財産に

矯正歯科治療は、保定期間まで含めて初めて完了します。せっかく時間とお金をかけて手に入れた理想の歯並びを、一生の財産として守っていくために、ご自身に合った保定装置を選択することが大切です。

ワイヤー矯正を受けた方には固定式リテーナーやベッグタイプが安心、マウスピース矯正を受けた方にはクリアリテーナーが最適です。

美しい歯並びは、お顔の印象を明るくし、自信をもたらしてくれます。適切な保定で、その笑顔を長く保ちましょう。


矯正治療後の保定装置や歯並びの維持についてのご相談は、お気軽に当院までお問い合わせください。経験豊富な矯正歯科医が、あなたに最適な保定方法をご提案いたします。

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マウスピース矯正治療結果は歯型をとる回数に比例している?解説します

マウスピース矯正治療結果は歯型をとる回数に比例している?解説します

インビザライン矯正:定期的なスキャンで実現する、より精密な治療

なぜ毎回スキャンをすることで治療が良くなると言えるのか?

当院でインビザライン矯正を受けられている患者様から、「スキャンの回数が多いのはなぜですか?」というご質問をよくいただきます。結論から申し上げると、スキャンが多いということは、それだけ丁寧で精密な治療を受けていただいているということなのです。

従来のアライナー矯正との違い

従来の方法

以前の一般的なアライナー矯正では、治療開始時に一度だけ歯型をスキャンし、そのデータをもとに治療完了までのすべてのマウスピースを一度に作製していました。患者様は定期的に写真を撮って送信し、通院回数を減らすスタイルが主流でした。

コロナ禍では「できるだけ通院せずに治療できる」ことがメリットとされていましたが、この方法には課題もありました。最初に取った歯型データだけで1年後、2年後まで予測することは難しく、治療が進むにつれてマウスピースの適合が悪くなってしまうことがあったのです。

当院の最新アプローチ

当院では、1〜2ヶ月ごとに定期的なスキャンを実施しています。これにより、以下のような効果が得られます。

✓ こまめな軌道修正が可能
歯の動きを細かく確認しながら、その都度最適なプランに修正できます。

✓ マウスピースの適合不良を防ぐ
適合が悪くなる前に次のステップへ進むため、「マウスピースが合わない」という悩みがなくなります。

✓ より快適で早い歯の移動
細かい調整を重ねることで、無駄な動きを省き、効率的に歯を動かすことができます。

数字で見る違い

従来の方法では、年間1〜2回程度のスキャンでした。当院で2ヶ月ごとにスキャンを行うと、年間6回、2年間で合計12回のスキャンを実施することになります。つまり、従来の約6倍以上、歯科医師が患者様一人ひとりの治療経過を細かく確認しているということです。

スキャンの目的は「問題発見」ではなく「より良い治療」のため

以前は「うまく動いていない」という問題を見つけるためのスキャンでしたが、現在は違います。より良い治療結果を実現するため、より精密なプランニングを組み立てるためのスキャンです。

ネガティブな対応ではなく、ポジティブに治療をブラッシュアップしていくためのものとお考えください。

当院の治療の特徴

  • すべての治療計画を院長がチェック
    当院では、すべての患者様の治療計画を院長である尾島が作成・監修しています。
  • 独自の技術を採用
    形状記憶アライナーやダイレクトプリントアライナーなど、世界の矯正学会からも注目される最新技術を導入しています。
  • アライナー矯正専門のチーム
    10年以上アライナー矯正に特化した経験豊富な歯科医師チームが、患者様の治療をサポートします。

まとめ

定期的なスキャンは、決して手間をかけさせるためのものではありません。患者様により快適で、より早く、より確実な治療結果をお届けするための、当院のこだわりです。

従来の「歯型を取って1年間放置」ではなく、「細かく丁寧に、常に最適なプランで治療を進める」。これが、当院が目指す最新のアライナー矯正です。

インビザライン矯正にご興味のある方は、ぜひ当院にご相談ください。