AIで矯正治療の診断ができる?
歯科医師が語る本音と現実
AIは便利なツール。でも、すべてを任せていいの?
患者様からのご質問
「アライナー矯正の難易度は、今後AIで正しく診断できるのでしょうか?」
「この症例は矯正治療に適している/適していない」という判断を、AIができるようになるという話を研究会で聞いたのですが…
結論:AIは便利だけど、すべてではない
尾島先生の答え
AIは「それっぽく」説明するのが得意。
でも、診断は10人の歯科医師が見たら
10通りの考え方があるのが現実です。
⚠️ AIの「ハルシネーション」って?
ハルシネーションとは、AIが実際にはないことを、さもあるかのように説明してしまう現象のことです。
AIは「もっともらしい説明」をするのが得意ですが、それが必ずしも正しいとは限りません。
診断においても、AIは「それっぽい答え」を出せますが、本当に正しいかどうかは別問題なのです。
実際の診療現場で起きること
ある患者様のケース
他の歯科医院でアライナー矯正を受けていた患者様が、相談にいらっしゃいました。
前の医院では「抜歯しなくても大丈夫ですよ」と言われていたそうです。
でも、ご本人は「口元を下げたい」という強い希望をお持ちでした。
この場合、どう考えますか?
もしAIが「抜歯不要」と判断しても、患者様のお気持ちはどうなるのでしょうか?
AIには患者様の価値観や希望、美的感覚を理解することはできません。
だからこそ、AIに全てを任せるのではなく、患者様一人ひとりに寄り添った診断が必要なのです。
⚖️AIができることと、できないこと
AIが得意なこと ✓
情報を整理すること
パターンを見つけること
データ処理を高速化すること
複数の選択肢を提示すること
作業効率を上げること
AIが苦手なこと ✗
患者様の本当の気持ち
個別の事情や背景
予期せぬトラブル対応
複雑な人間関係の配慮
経験に基づく判断
✈️旅行プランで例えると…
尾島先生の旅行プランの話
「スペインとブラジルの学会に行く旅行プランをAIで立てました」
AIができること:
・おすすめの観光地を教えてくれる
・人気のレストランを紹介してくれる
・効率的な移動ルートを提案してくれる
でも、旅行中にハプニングが起きたら?
飛行機が遅延した、道に迷った、予約が取れなかった…
そんな時、AIは対応できません。
現地の友人がいたり、臨機応変な対応力があってこそ、楽しい旅行になりますよね。
尾島先生の考え
「AIだけで全てが神様のように完璧に解決する」なんてことは100%ありません。
AIを毎日使っている人ほど、AIの限界を知っています。
例えば、AIに「歯の画像を作ってください」と頼むと、歯が上にも下にも不自然について出てくることもあるんです(笑)
つまり、できることはできる。でも正しいかどうかは別の話なんです。
AIと試験の関係
よく聞く話:「AIは医師国家試験で上位合格できる」
確かにそうかもしれません。でもそれは「決まっている問題だから」です。
1+1=2という答えは決まっています。
でも、患者様は教科書通りではありません。
実際の患者様には様々な要素があります
✓ 顎がどう動くか(個人差)
✓ 癖や習慣(舌癖、歯ぎしりなど)
✓ コンプライアンス(装置の使用時間を守れるか)
✓ 生活環境や価値観
✓ 治療へのモチベーション
これらすべてを考慮して、何通りもの治療オプションから最適なものを選ぶ。
それが歯科医師の仕事なのです。
デジタルだけではダメな理由
尾島先生は「デジタル人間」?
私はデジタル技術をたくさん使いますし、好きです。
でも、デジタルはあくまでもツールです。
患者様を実際に触って、顎関節の状態を確認して…
そういうアナログな診察なしでは、絶対に診断できません。
2025年現在、これが私の考えです。
AIの良い使い方 ✓
作業を早くする補助ツール
歯の抽出を自動化
データ整理の効率化
複数の選択肢を検討
避けるべき使い方 ✗
全てをAIに丸投げ
AIの判断を鵜呑みにする
自分で考えることをやめる
患者様の気持ちを無視
最も大切なこと
AIは便利なツールとして「使う」もの。
でも、「全てお任せ」にするのは違います。
歯科医師がしっかり考える力を持つこと。
それが患者様の安全と満足につながります。
患者様へのメッセージ
選ぶべき歯科医師とは
「AIがこう言っているから」と説明する歯科医師より、「AIも参考にしますが、あなたの場合はこういう理由でこの治療が最適です」
と、自分の言葉で丁寧に説明してくれる歯科医師を選んでください。
YouTube動画で励まされる患者様へ
実は最近、他の医院で治療中の患者様が「YouTubeを見て励まされました」とおっしゃってくださいました。
矯正治療は長い道のりです。
不安になることもあると思います。
頑張ってください!応援しています!
こちらの内容は動画でもご覧いただけます


