正中のずれはマウスピース矯正で治せるかどうか?について解説します

皆さん、こんにちは!
今日は「インビライあるある患者様編」と題して、特に「正中のズレ」に関するご質問にお答えします。多くの患者様が気にされるのが、「マウスピースだけで正中のズレは治療できるのか?」という点です。

正中のズレとは何か?

まず、正中のズレとは具体的にどのような状態を指すのでしょうか。これは、顔の中心線と上顎の前歯の中心が一致しているかどうかに関連します。研究によれば、このズレが4mm以下であれば、視覚的にも違和感が少なく、美しく仕上がることが示されています。

正中のズレの原因

正中のズレの原因は多岐にわたります。たとえば、歯が内側に移動してしまっていたり、左右の歯の数が異なることで中心がズレてしまうことがあります。また、歯を抜歯してしまった後にズレが生じることもあります。

正中のズレの矯正治療

正中のズレに対しては、矯正用のマウスピースを使用して段階的に調整を行う方法があります。実際に私たちのクリニックでは、患者様の顔の正面写真をもとに、歯の位置を精密に合わせていく技術を取り入れています。これにより、歯の移動を逐次的にコントロールし、理想的な位置へと導きます。

また、大きなズレの場合には、ミニスクリューという小さな矯正用ネジを用いたテンポラリーアンカレッジデバイス(TADs)を用いることもあります。これにより、より強力に歯を引っ張り、ズレを調整することが可能です。

左右の本数が異なる場合に生じる正中のずれに対して

基本的に、正中を顔の中心と合わせたい場合、本数を左右で合わせるのが理想的です。

① 欠損に合わせて、反対側の歯を1本抜歯する
② 欠損の部分の隙間を広げる矯正をして、最終的に歯を追加する(インプラントやブリッジなど)

左右で本数を合わせることで、より顔の中心と正中が合いやすいと言えます。

定期的な確認と調整

治療プロセス中は、定期的な写真撮影とその都度の確認が重要です。これにより、ズレの修正が迅速に行え、治療の精度が向上します。進行段階で見られる小さなズレも、心配することなく治療を継続することができます。

Ray Face の導入

当院で導入しているRay Face (Ray Japan 社)は、患者様の顔データを3Dスキャンして治療計画に反映させることができます。
ご興味がある方は、お問い合わせください。

まとめ

歯のズレは、マウスピースを用いた治療だけでなく、状況に応じて他の装置を併用することで効果的に対処することが可能です。患者様一人ひとりの状態に合わせた最適な治療計画を立て、美しく健康な歯並びを目指して行きます。

歯列矯正においては、機能的な問題と見た目の美しさのバランスを取ることが大切です。どの治療法を選ぶにせよ、専門家としっかりと相談し、最適な治療を選択することが重要です。私たちのクリニックでは、各患者様のニーズに応じたカスタマイズされた治療を提供しています。どのような小さな疑問や懸念も、遠慮なくぜひご相談ください。

本日の内容は、動画でもご覧いただけます

マウスピース矯正治療を成功させるために重要こと① 【フェイシャルパターン】

今日はマウスピース矯正治療を成功させるために重要ことについて何回かに分けて解説していきます。マウスピース矯正だけではなく、どのような治療でも、「医院やドクターによって考え方や治療方法が異なる」ということはよくあると思います。それによってどこに通ったらいいのか?迷う患者様も多いと思います。

スマイルイノベーション矯正歯科・新宿のマウスピース矯正は、どのようなことを考えながら治療をしているのか?についてお話ししていきます。

マウスピース矯正治療を成功させるためには、ただ歯型を取って、マウスピースを装着するだけではありません。まずは矯正治療のための検査、分析、診断が必要になります。その中でまず考えられるのがフェイシャルパターンです。

マウスピース矯正治療を成功させるために重要こと
基本①【フェイシャルパターン】

マウスピース矯正治療を始めるにあたって、我々は歯列より先に顔面骨格タイプを考える必要があります。顔面骨格タイプを分類することで治療の大まかな道筋を立てることができるからです。

外科矯正の世界的権威である菅原準二先生によると、顔面骨格タイプは9つに分類することができます。この9つは、顔の長さと下顎の位置の組み合わせで分けられ、それぞれ短顔、標準、長顔、と下顎後退、標準、下顎前突の組み合わせで考えることができます。

1短顔 下顎後退

2短顔 標準

3短顔 下顎前突

4標準 下顎後退

5標準 標準

6標準 下顎前突

7長顔 下顎後退

8長顔 標準

9長顔 下顎前突

フェイシャルパターン, facial pattern 分類

これら9つの分類に対し、それぞれ治療のアプローチが異なります。顎顔面形態をこの9つに分けてスクリーニングすることで、外科手術によるアプローチが必要かどうか、抜歯が必要かどうか、どのように下顎の位置や歯列を動かすかなど大まかに検討することができます。

またこの分類では、アウトカムシュミレーションは標準型にのみ適応され、外科矯正は標準型から離れているほど外科手術が適応されます。

したがって顔面骨格タイプがどこの分類に入るかを把握していると、治療の規模や流れをイメージできるので、患者様にも顔面骨格タイプを共通認識を取っておくとよいです。

短顔

顔の縦の長さが標準に比較して短い場合です。噛み合わせの傾向としては過蓋咬合であったり、噛み締めが強い場合があります。咬筋に力が入りやすく、エラが張っている場合が多いです。例外はあります。
短顔の場合は機能的に不具合を感じ自覚することは少ないかもしれませんが、噛み締めが強く歯が磨耗している場合があり、上下の臼歯の噛む面が極度に削れている方は注意が必要です。

長顔

顔の縦の長さが標準に比較して長い場合です。噛み合わせの傾向としては、咬筋が発達していない場合が多く、口輪筋も緩んでいる場合が多いです。機能的には、口呼吸の方が多く、口が常に空いている、口が閉じにくい、口を閉じるとおとがいの部分にシワができる、などです。
開咬の歯並びの方は長顔の傾向が多いです。長顔を治療する場合には、骨格性の長顔なのか?骨格の長さは標準だが、噛み合わせの位置で下顎が後方にずれていることで噛み込めなくなっていることで全体的に長顔になっているか?のどちらかを診断する必要があります。
歯並びの矯正歯科治療だけで治すことができるのか?それとも骨格的な問題がある場合には外科矯正の併用が必要なのか?について診断していきます。

下顎後退

下顎は上顎に比べて後方にある場合です。この場合はいわゆる「出っ歯」と患者様が感じやすい歯並びです。重度の下顎後退の場合は上下の前歯が噛み合わず、下顎が後方に下がることで顎関節に負担がかかっていることが多いです。
顎に負担がかかると、朝起きた時の顎のだるさや、口の開け閉めの時に顎が鳴る、顎が痛くなる、などの症状を自覚することがあります。

下顎前突

下顎は上顎に比べて前方にある場合です。この場合はいわゆる「反対咬合 / 受け口」の傾向になります。前歯については、上の前歯よりも下の前歯の方が前方にあり、笑った時に下の前歯が見えやすい場合です。

それぞれのフェイシャルパターンについて特徴をまとめてみました。
これらの組み合わせによって、フェイシャルパターンは大きく分けて9パターンになります。標準に近いほど歯並びの矯正歯科治療だけで改善できる可能性が大きいです。標準がから離れるほど、骨格性の不正咬合である場合が多く、外科矯正の併用が必要になる場合もあります。

スマイルイノベーション矯正歯科・新宿では、顔貌形態の分析に3Dフェイシャルスキャナーを導入しました。(銀座さくら矯正歯科にて)2秒の撮影時間で3Dイメージを撮影することができ、マウスピース矯正治療の分析に利用しています。
ご興味がある方は、受付までお声がけくださいね。

↓こちらの動画の後半で、Ray face を使った3Dフェイシャルスキャンの様子を公開していますので参考にしてください。