アライナー矯正治療のステージングこそこだわるべき理由について

はじめに:マウスピース矯正で本当に満足のいく結果を得るために

近年、透明で目立ちにくく、取り外しができる「マウスピース矯正(アライナー矯正)」を選ぶ患者さんが急増しています。ワイヤー矯正に比べて痛みが少なく、見た目を気にせずに治療を進められる点が大きなメリットです。

しかし、多くの方が「どこの医院で治療を受けても、同じマウスピースを使えば結果は同じになるのではないか」と思われているかもしれません。実はここに、マウスピース矯正における最大の落とし穴があります。

マウスピース矯正の成功を決定づけるのは、実はアライナーそのもののブランドではなく、歯科医師がどのような設計図を描くか、つまり「ステージング(治療計画・歯を動かすステップ)」にどれだけこだわっているかという点にあります。

今回は、20年以上にわたりマウスピース矯正を専門に治療を行ってきた歯科医師の視点から、なぜステージングに徹底的にこだわるべきなのか、そして最先端の治療トレンドがどのように変わってきているのかを、患者さんの目線でわかりやすく徹底的に解説します。

1. そもそも「アライナー矯正」と「ステージング」とは?

本題に入る前に、まずは基本的な言葉の意味を整理しておきましょう。ここを理解しておくことで、なぜ先生たちがこれほどまでに治療計画にこだわるのかがよく見えてきます。

アライナー矯正とは

透明なプラスチック製のマウスピース(アライナー)を数週間ごとに新しいものに交換しながら、少しずつ歯を目標の位置へと動かしていく矯正治療のことです。

ステージングとは

ステージングとは、一言で言えば「歯を動かす順番とステップの設計図」です。

人間の歯は、すべての歯を同時に一気に動かせるわけではありません。例えば、奥歯を後ろに動かしてスペースを作ってから前歯を引っ込めたり、隣り合う歯がぶつからないように順番に隙間を作ったりする必要があります。

「どの歯を、どのタイミングで、どの方向に、何ミリ動かすか」を細かく段階(ステージ)に分けた計画のことを「ステージング」と呼びます。

このステージングが適切に作られていないと、途中で歯が計画通りに動かなくなったり、マウスピースが浮いてしまったりする原因になります。

2. 従来の「外注型(一括作製)」に潜むリスクと限界

現在、日本国内で行われているマウスピース矯正の多くは、「外注型」と呼ばれるシステムをとっています。これは、クリニックで患者さんの歯型を3Dスキャナーで採り、そのデータを海外などの大手マウスピースメーカー(例:インビザラインなど)に送って、治療開始から完了までのすべてのマウスピースを最初に一括して作製する、あるいは一括して治療計画を立てる方法です。

外注型のシステム自体は非常に優れており、世界中で多くの実績がありますが、実は歯科医師の目から見ると、いくつかの大きな限界やリスクが存在します。

ゴルフの「ワンオン(一発狙い)」に例えられる難しさ

外注型のアライナー矯正は、例えるならゴルフで「遠く離れたグリーンにあるカップに向かって、1打目で一発で入れる(ワンオン、あるいはホールインワン)を狙うようなもの」です。

治療開始時に「1年後、2年後のゴール」を予測し、そこに向かって一直線に進むマウスピースを数十枚〜百数十枚、最初にすべて作ってしまうわけです。しかし、人間の体はロボットではありません。骨の硬さや代謝のスピード、マウスピースの装着時間などによって、実際の歯の動きには必ず個人差が出ます。

障害物の多い難しいコースや、風が吹いている状況(=複雑なガタガタの歯並びや、難しい症例)において、最初の一打だけでゴールにぴったり着地させるのは、神業に近いほど困難なことなのです。

時間の経過とアタッチメントによる「適合(フィット感)」の低下

外注型で長期間の計画を立てると、以下のような問題が起こりやすくなります。

  • 期間が経つほどのズレの拡大: 歯型を採ってから3ヶ月、半年、1年と時間が経てば経つほど、シミュレーション上の歯の動きと、実際の患者さんの歯の動きの間に「わずかなズレ」が生じ始めます。
  • アタッチメントの影響: 歯を効率よく動かすために、歯の表面に「アタッチメント」と呼ばれる小さなプラスチックの突起をつけることがあります。これがつくと、歯の形が複雑になるため、マウスピースと歯の「適合(フィット感・密着度)」を保つのがさらに難しくなります。

ほんの0.1mmのズレであっても、それが何十ステップと積み重なると、最終的にはマウスピースが全くはまらなくなってしまいます。そのため、外注型では治療の途中で何度も「追加の歯型採り(再スキャン)」をして、計画を練り直すのが一般的となっています。

3. 世界の最先端トレンド「インハウス(院内作製)アライナー」とは?

こうした外注型の限界を克服するために、アメリカやヨーロッパなど、マウスピース矯正に特化した専門性の高いクリニックで急速に普及しているのが、「インハウスアライナー(院内内製化)」という新しい形です。

インハウスアライナーの仕組み

インハウスとは、外注業者にすべてをお任せするのではなく、クリニック内に高性能な3Dプリンターやシミュレーションソフトウェアを導入し、歯科医師自身の手で、その場で必要な分だけマウスピースを作製・管理するシステムです。

「細かく刻む」治療計画がもたらす圧倒的な正確性

ゴルフの例えに戻りましょう。一発でゴールを狙う外注型に対し、インハウスアライナーは「細かく刻んでアプローチしていく方法」です。

  1. まず、最初の「1打目(最初の数か月分)」を打ちます。
  2. その結果、ボールがどこに止まったか(実際の歯がどう動いたか)を目で見て、再度スキャンして確認します。
  3. その正確な現在地から、次の「2打目(次の数か月分)」の計画を立ててマウスピースを作ります。

この方法であれば、「現実の歯の動き」に合わせた軌道修正がその都度できるため、常に100%に近いフィット感を保ったまま治療を進めることができます。非常に現実的で、戦略的、そして何よりも正確な治療が可能になるのです。

4. 自動で出てくるシミュレーションは「100%ダメ」?プロが介入すべき理由

外注型のシステムを使うと、パソコンの画面上で「パッと自動的に綺麗なステージング(アニメーション)」が出来上がってきます。画面上では、歯が魔法のようにスルスルと動いて、綺麗な歯並びになる様子が表示されるため、患者さんもそれを見ると安心するでしょう。

しかし、20年以上マウスピース矯正に真剣に向き合ってきたプロの目から見ると、「あの自動的にパッと出てくる初期のシミュレーションは、100%そのままではうまくいかない」というのが事実です。

なぜ自動の計画ではダメなのか?

ソフトウェアが計算する動きは、あくまで「机上の空論(デジタル上の計算)」に過ぎません。

例えば、骨の厚みを無視して歯を動かそうとしていたり、実際には他の歯が邪魔をして絶対に動かないような順番でステップが組まれていたりすることが多々あります。

自分で治療計画(クリンチェック等のプランニング)を深く作り込んでいる経験豊富な先生であれば、画面を見た瞬間に「この動きは現実には絶対に起こり得ない」「ここで歯がぶつかって止まってしまう」ということが一目で分かります。

しかし、もし担当する歯科医師が外注のシステムに丸投げしていたり、経験が浅かったりすると、その計画の無理に気づけないまま治療をスタートしてしまいます。その結果、治療の途中で「全然歯が動かない」「どんどんマウスピースが浮いてくる」というトラブルに繋がってしまうのです。

0.1mm単位の精密なこだわりを形にするためには、メーカー任せにするのではなく、歯科医師がこれまでの臨床経験を総動員して、ステージングを徹底的に作り直す(修正をかける)必要があるのです。

5. 治療成功の鍵を握る最重要ポイント:「顎位(あごの位置)」のチェック

ステージングにおいて、歯の並び順と同じくらい、あるいはそれ以上に徹底的にこだわらなければならないのが「顎位(がくい:あごの位置)」です。

歯が動くことで、あごの位置が変わる

噛み合わせが悪い患者さんの多くは、どこかの歯が強く当たっていたり、噛み合わせのバランスが崩れていたりすることで、あごが本来の正しい位置からずれた状態で生活しています(これを「不正顎位」と言います)。

矯正治療が始まると、原因となっていた歯が移動し、噛み合わせが変化します。すると、それまで無理やりずれていたあごの位置が、本来の正しい位置へと戻ろうとして動き始めます。

従来の長期計画が顎位の変化に対応できないリスク

従来の「最初にすべてを作ってしまう外注型のステージング」の最大の弱点は、この「治療途中で起こるあごの位置の変化に対応できない」という点にあります。

あごの位置がスタート時と変わってしまえば、当然、上と下の歯が噛み合う位置も変わります。それなのに、あごがずれていた最初の状態を基準に作られた1年後、2年後のマウスピースをそのまま使い続けると、治療が進むにつれて噛み合わせがおかしくなったり、あごに違和感や痛み(顎関節症のような症状)が出たりすることがあります。

ワイヤー矯正のように毎回チェックすることが理想

昔ながらのワイヤー矯正(マルチブラケット治療)では、月に1回程度の通院のたびに、先生がワイヤーを調整しながら「今のあごの位置は大丈夫か」「計画通りに進んでいるか」を毎回チェックし、その場で微調整を行っていました。

本来、マウスピース矯正でもこれと同じことが行われるべきです。

ステージングにこだわる医院では、スキャニングの段階からあごの正しい位置(バイトポジション)をドクター自身が厳密に見極め、治療中もあごの位置がどう変化しているかを常に監視しています。

6. 患者さんが知っておくべき「予測できる未来」の限界

多くの患者さんは、「最初に提示された1年半〜2年という治療期間の計画は、すべて確定した未来のもの」だと思われているかもしれません。しかし、医療においてそんな長い先の未来を完璧に見通すことは不可能です。

確実に見通せるのは「3ヶ月〜半年以内」

歯科医師が自信を持って「この通りに確実に動く」と予測できる未来は、せいぜい「3ヶ月から、長くても半年以内」です。

特に、歯が激しく重なり合っているようなガタガタの部分は、そのままでは奥に隠れていて3Dスキャナーでも正確な形を読み取ることができません。少し歯が動いて、隙間ができて見えやすくなって初めて、正確なスキャンが可能になります。

そのため、理想的なマウスピース矯正の進め方は以下のようになります。

  1. 先の分からない1年後、2年後のために無理な計画を立てるのをやめる。
  2. まずは確実に予測できる「3ヶ月〜半年以内」のステージングに全力を注ぐ。
  3. 歯が動き、見えなかった部分が見えてきた段階で、再度細かくスキャンをして次のステップのマウスピースを作る。

このように細かくステップを刻んでいくことこそが、患者さんの体への負担を減らし、結果として治療期間を最も短く、かつストレスフリーにするためのイノベーション(革新)なのです。

まとめ:失敗しない歯科医院選びのために

今回の内容をまとめると、マウスピース矯正において治療計画(ステージング)にこだわるべき理由は以下の4点に集約されます。

項目 詳細
自動計画への依存はNG メーカーからパッと出てくる自動のシミュレーション通りに歯が動くことはありません。ドクターの知識と経験による修正が不可欠です。
長期の一括計画の限界 1年や2年の計画を最初にすべて決めてしまう「ワンオン(一発狙い)」の治療は、ズレが生じやすく現実から離れがちです。
顎位(あごの位置)の重要性 歯が動くとあごの位置も変わります。変化していくあごの位置に合わせて、柔軟に計画を修正できるかどうかが成功を左右します。
細かく刻むのが世界のトレンド 予測できる未来は半年以内。海外の専門クリニックでは、院内でこまめにスキャンし直して作る「インハウスアライナー」への移行が進んでいます。

マウスピース矯正は、どの医院で受けても同じではありません。

「最先端の3Dプリンターやシステムを導入し、院内での対応(インハウス)を取り入れているか」、あるいは外注型であっても「最初の自動シミュレーションを過信せず、ドクター自身が顎位や歯の動きを考慮して、3ヶ月〜半年先までのステージングに徹底的にこだわり抜いているか」。

ぜひ治療を始める前には、このような「治療計画へのこだわり」をしっかりと持った、信頼できる専門性の高いクリニック・ドクターを探してみてください。それが、あなたが理想の美しい歯並びと、健康な噛み合わせを手に入れるための最も確実な近道です。
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尾島賢治先生の無料矯正相談

歯が動きやすいタイミングはいつ?アライナー矯正治療について解説します

「矯正中、歯が動きやすい時期があるって本当?」——治療の流れと骨の変化をわかりやすく解説

「矯正を始めてしばらくは痛みがあったのに、最近は楽になってきた」「最初のうちはマウスピースが少しきつかった」——矯正治療中にこんな変化を感じたことはありませんか?

実はこれ、気のせいではありません。矯正治療中は、歯が動きやすい時期と動きにくい時期があり、治療の段階によって歯の周りの骨の状態がまったく異なります。

今回は、尾島先生が日々の診療の中で患者さんに伝えている「歯の動くしくみと治療のタイミング」について、わかりやすく解説します。この内容を知っておくだけで、矯正中の体の変化への理解が深まり、治療への安心感につながります。

矯正治療中、歯はどうやって動くの?

まず基本として、歯がどうやって動くのかをおさえておきましょう。

歯は顎の骨の中にしっかり埋まっています。歯と骨の間には「歯根膜(しこんまく)」という薄い組織があり、これがクッションのような役割を果たしています。

矯正装置(マウスピースやワイヤー)で歯に力をかけると、次のようなことが起きます。

 

  • 歯が押される方向の骨が少しずつ**吸収(溶ける)**されて、隙間ができる
  • その隙間に向かって歯が移動する
  • 歯が動いた後の空いたスペースに、今度は新しい骨が作られる

 

この「骨が溶けて→歯が動いて→新しい骨が作られる」というサイクルを、医学的にはリモデリングと呼びます。矯正治療は、このリモデリングを繰り返すことで、少しずつ歯を理想の位置へ導いていくものなのです。

治療の段階によって「動きやすさ」が変わる

矯正治療は、開始直後・治療途中・治療終盤の3つの段階に分けて考えることができます。それぞれで歯の動きやすさがまったく異なります。

治療開始直後——実は最も動きにくい時期

矯正を始めたばかりの頃が、最も歯が動きにくい時期です。

これは、治療開始前の歯がずっと「動かない状態」で安定していたから。硬い骨の中にしっかり固定されている歯に、急に矯正の力が加わるわけです。

自転車に例えると、赤信号で完全に止まっている状態から漕ぎ出す瞬間が一番力がいるのと同じです。「0から1」への最初の一歩が最もエネルギーを必要とする——歯の移動も同じ原理です。

だからこそ、治療初期は痛みや締めつけ感を感じやすかったり、マウスピースがきつく感じたりします。「治療が始まったのになかなか動いていない気がする」という方も、これが理由のひとつです。決して異常なことではありません。

治療途中——最もスムーズに動く時期

治療が進んでくると、リモデリングが活発に繰り返されるようになり、歯の周りに新しい骨がどんどん作られていきます。

新しい骨は、長年かけて固まった古い骨よりもやわらかいという特徴があります。このやわらかい骨の状態になると、歯がとてもスムーズに動くようになります。

治療中盤は、いわば「走り出した自転車が加速している状態」。歯がぐんぐん動きやすくなり、矯正の効果が出やすい時期です。

なお、矯正中に「歯がグラグラする」「硬いものを噛むと少し痛い」と感じることがあるとしたら、それはこの新しい骨が作られている過程でのサインです。骨が入れ替わっている正常な反応なので、過度に心配する必要はありません。

治療終盤——細かな調整の時期

治療の後半になってくると、大きな移動は一段落し、微細な位置調整が中心になってきます。

高速道路をスムーズに走ってきた車が、目的地近くで少しずつ速度を落としながら慎重に駐車スペースに入っていくイメージです。歯の移動量そのものが少なくなってくるため、痛みや違和感もさらに少なくなってくる方がほとんどです。

抜歯直後も「歯が動きやすいタイミング」

もうひとつ、歯の動きやすいタイミングがあります。それは**抜歯(歯を抜いた直後)**です。

歯を抜くと、その周りに血液が集まってきて骨を修復しようとします。この時、周辺の組織全体が活性化した状態になり、近くにある他の歯も動きやすい状態になることがわかっています。これを「RAP効果(リージョナル・アクセラレーション・フェノミナン)」と呼びます。

つまり、抜歯が必要な矯正の場合、抜いた後できるだけ早く矯正を開始・継続することで、この「骨が活性化しているタイミング」を最大限に活かすことができます。時間を置きすぎてしまうと、せっかくの好機を逃してしまうこともあるのです。

なぜ「インハウスアライナー(院内完結型)」が有利なのか

ここまでの内容を踏まえると、尾島先生が取り組んでいる**インハウスアライナー(院内でマウスピースを設計・製作する方式)**が、なぜ患者さんにとって有利なのかが見えてきます。

外注型(従来の方式)の課題

従来の多くのマウスピース矯正では、治療開始前に全工程のマウスピースをまとめて発注します。つまり、治療の初日から最終日まで使うマウスピースを、まだ歯が一度も動いていない段階ですべて作ってしまうのです。

しかし前述のとおり、治療初期は歯が動きにくい時期。計画通りに歯が動かないと、途中からマウスピースと実際の歯の形にズレが生じ、**「アンフィット(合わなくなる)」**が起きやすくなります。

院内完結型(インハウス)のアプローチ

一方、インハウスアライナーでは次のような戦略が取れます。

 

  • 治療開始後、まず1〜2ヶ月間、歯を動かす
  • 骨のリモデリングが進み、歯が動きやすい状態になったタイミングで、再度口の中をスキャンして歯型を取り直す
  • その「実際に動いた後の歯の形」をもとに、続きのマウスピースを設計・製作する

 

つまり「歯が最も動きやすい状態」からスタートして次のマウスピースを作るため、マウスピースが歯にフィットしやすく、治療精度が上がりやすいのです。

さらに、治療初期には大きな移動を詰め込みすぎず、歯が動き出してから本格的に移動量を増やしていくという段階的な戦略を組めることも、インハウスならではの強みです。

矯正中の「変化」は成長のサイン

まとめると、矯正治療中に感じる変化には、こんな意味があります。

感じる変化 その理由
最初がきつくて痛い 骨の中で止まっていた歯が動き始めるから
しばらくしたら楽になった 新しい骨ができて歯が動きやすくなったから
治療後半は違和感が少ない 移動量が少なくなり、微調整の段階に入ったから
歯がグラグラする感じ 骨が入れ替わっている正常なサイン

「最初がつらいのは当然」「途中から楽になるのは正常」「グラグラするのも問題ない」——こうした体の変化を知っておくだけで、治療中の不安がずいぶん軽くなるはずです。

尾島先生からのメッセージ

矯正治療は、ただ「装置をつけて待つ」だけではありません。歯が動きやすいタイミングを見極め、そのタイミングに合わせて治療の進め方を調整していくことで、より精度が高く、より快適な治療を実現できます。

尾島先生の診療では、インハウスアライナーの強みを活かしながら、患者さん一人ひとりの骨の状態や歯の動き方を丁寧に確認しながら、最適なペースで治療を進めていきます。「本当に動いているのかな」「このマウスピースは合っているのかな」という不安があれば、いつでも気軽にご相談ください。

矯正治療に興味がある方、他院でうまくいかなかったご経験がある方も、ぜひ一度ご相談にいらしてください。あなたの歯の状態とライフスタイルに合わせた、最善の治療計画をご提案します。

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臼歯の咬耗が大きい場合アライナー矯正治療でどう仕上げる?

歯のすり減りがある方の矯正治療について

治療前に知っておいていただきたい大切なお話です。安全で長持ちする矯正治療のために、ぜひご一読ください。

まず確認:歯はすり減っていませんか?

歯が互いに強く当たり続けることで、歯の表面(エナメル質)が少しずつ削れていく状態を「咬耗(こうもう)」と呼びます。矯正治療を始める前に、この咬耗がどの程度あるかを確認することが非常に重要です。

エナメル質とは?

歯の一番外側を覆う、体の中で最も硬い組織です。歯を外からの刺激や虚歯菌から守るバリアの役割を果たしています。一度削れてしまうと、自然には再生されません。

咬耗が多い状態とは?
エナメル質がほとんどなくなり、その内側にある柔らかい「象牙質」が表面に露出している状態です。象牙質はエナメル質に比べて格段に柔らかく、そのまま強い力で噛み合わせると急速に削れていきます。

 

そのまま矯正すると何が起きるのか

咬耗が進んだ状態でそのまま矯正治療を行い、歯を噛み合わせてしまうと、以下のようなリスクが生じます。

1 象牙質がどんどん削れる

保護するエナメル質がない状態で噛み合うため、残った歯の組織が急速に失われます。

2 歯の神経が死んでしまう(失活)

削れが進むと歯の神経に到達し、歯が「死んだ状態」になってしまいます。これを失活といいます。

3 最終的に歯を失うことになる

失活した歯は脆くなり、最終的には抜歯が必要になるケースが少なくありません。

つまり:咬耗が多い歯をそのまま噛み合わせる矯正治療は、「歯を救う治療」ではなく「歯を失う方向に進む治療」になってしまう可能性があります。

先生が提案する安全な治療の流れ

咬耗が多い方には、矯正治療と並行して歯の修復(補修)を行うことをお勧めしています。具体的には次の2つのアプローチを組み合わせます。

クリアランスを作る・バイトアップ

アライナー(マウスピース)を装着することで噛み合わせをわずかに持ち上げ、傷んだ歯同士が直接強く当たらないようにします。この「すき間」を利用して、削れた歯の修復治療を安全に進めます。

並行して修復治療

削れてしまった部分をかぶせ物やコンポジットレジン(白いプラスチックの詰め物)などで補修します。歯を「守りながら」矯正を進めることで、治療後の歯が長持ちします。

目標:矯正が終わったときに「きれいに並んでいて、かつ歯が健康な状態」を実現することです。見た目だけでなく、歯の寿命を守ることが大切です。

 

わかりやすいたとえ話

家の建築で考えると…

「リビングを広くしたいから柱を取り除いてください」というお客様のご希望を、建築士がそのまま通したとしたら、どうなるでしょうか?家は崩れてしまいます。

専門家の仕事は、ご希望を叶えながらも「家が安全に立っていられる構造」を守ることです。歯科治療も同じで、患者様のご希望を最大限に尊重しながらも、長期的に歯が健康でいられる方法をご提案するのが私たちの役割です。

 

「修復はしたくない」と思っている方へ

「できるだけシンプルに、余計な治療はしたくない」というお気持ちはよく理解できます。ただ、咬耗が進んだ状態のまま矯正だけを行った場合に起こりうるリスクを、ぜひ一緒に確認させてください。

リスクを知った上での選択が大切です

修復を行わないまま治療を進めることで生じるリスク(歯の喪失、神経の死滅など)を十分にご理解いただいた上で、治療方針を一緒に決めることが重要です。担当医と十分に話し合ってください。

場合によっては治療をお断りすることも:
修復なしで治療を進めることが患者様の歯に明らかな害をもたらすと判断される場合、安全上の理由からその方法での治療をお引き受けできないこともあります。これは患者様の歯と健康を守るための判断です。

 

まとめ

咬耗(歯のすり減り)は放置すると歯を失う原因になります

エナメル質がなくなった歯は、強い噛み合わせに耐えられません。

矯正治療と修復治療を組み合わせることが安全な方法です

アライナーで噛み合わせを持ち上げながら、削れた部分を補修します。

治療の目的は「きれいな歯並び」+「健康な歯」の両立です

長く自分の歯でお食事や生活を楽しんでいただくために、一緒に最善の方法を考えましょう。

 

ご不明な点やご不安なことがあれば、どうぞ遠慮なくご相談ください。

患者様の歯を守ることが、私たちの一番の目標です。

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アライナー矯正治療で前歯の仕上がりを左右するポイント

マウスピース矯正のポイント解説

マウスピース矯正の仕上がりを決める5つのポイント

— インハウス型が選ばれる理由も解説 —

「歯並びが綺麗になった」と感じるゴールに、何が影響しているのでしょうか?矯正歯科医師が解説する、マウスピース矯正(アライナー矯正)の仕上がりを左右する重要ポイントと、最新アプローチの違いをわかりやすくご紹介します。

マウスピース矯正とは?

マウスピース矯正(アライナー矯正)は、透明なプラスチック製のマウスピースを段階的に交換しながら歯を動かす矯正治療です。ワイヤー矯正と比べて目立ちにくく、取り外しができることから人気が高まっています。

現在、大きく分けると次の2つのタイプがあります。

外注型(院外製造)インビザライン等

専門の海外ラボがマウスピースを製造。1〜2年分を一括で作製するため、途中で細かい修正が難しい。

注目

インハウス型(院内製造)クリニック内製造

クリニックが院内でマウスピースを製造。2か月ごとに状態を確認しながら細かく調整でき、仕上がりが高精度になりやすい。

インハウス型の大きな違い

外注型では「型取りをしたらまとめて1〜2年分を作製」するのに対し、インハウス型は「2か月ごとに口内をスキャンして微調整しながら進める」ため、顔のバランスや歯の状態の変化に柔軟に対応できます。

仕上がりを左右する5つのポイント

矯正治療の結果に大きく影響する要素を5つに整理しました。それぞれがどんな意味を持つのかをご説明します。

  • ① 正中線(顔の中心線と歯の中心を合わせる)
    お顔の中心と、上の前歯の中心が一致しているかどうかは、見た目の印象に大きく影響します。インハウス型では2か月ごとに顔写真を撮影し、顔の正中と歯の正中を照合しながら調整できます。外注型では一括作製のため、この微調整が難しくなることがあります。
  • ② スマイルカーブ(笑ったときの前歯の弧)
    笑ったときに上の前歯が下唇のラインに沿ってきれいな弧(カーブ)を描くと、美しい笑顔に見えます。このカーブの角度も、2か月ごとのインハウス調整で丁寧に整えることができます。
  • ③ 歯の角度(ディテール・仕上げの微調整)
    個々の歯がどの角度で立っているかは、整列感に影響します。「ゴールデンプロポーション」と呼ばれる美しい歯の角度と配列の基準があり、それを参考にしながら最終調整します。インハウス型は細かいスキャンで角度修正がしやすいのが特徴です。
  • ④ 左右対称(歯の幅・位置のバランス)
    左右の同じ歯の幅が違うと、どれだけ並べても見た目のバランスが崩れることがあります。この場合は「コンポジットレジンで補う」か「歯の形を整える形態修正」を選択する必要があります。
  • ⑤ 前後的なバランス(出っ張りと引っ込み)
    歯が前に出すぎていると、お顔のEライン(鼻先〜顎先のライン)が乱れ、横顔の印象に影響します。セファログラム(頭部X線規格写真)での分析を行い、正しい位置に歯が収まるよう仕上げることが大切です。

デジタルセットアップとは?なぜ重要?

マウスピース矯正の成否は、治療開始前の「デジタルセットアップ」の質で大部分が決まると言われています。デジタルセットアップとは、パソコン上で歯の最終的な並びゴールをシミュレーションする作業です。

山登りの例えで考えてみると…

「なだらかに確実に登れる山道」と「ほぼ90°の崖」では、同じゴールでも難易度がまったく違います。矯正治療も同じ。治療前にゴールの難易度を正確に把握しないまま始めると、途中で行き詰まる原因になります。デジタルセットアップで「このゴールは自分で到達できるか」を判断することが、治療の成功を左右します。

デジタルセットアップができると、インビザライン・インハウス型・インナー型(内側矯正)など、どのアライナーでも対応できるようになります。逆に、これが不十分だと、どのアライナーを使っても思いどおりの結果が出ません。

使える矯正方法:すべてのアライナー

大切なこと: 治療前の難易度判断

スキャン精度:2か月ごとの更新

患者さんへの3つのポイントまとめ

受診・治療の参考に

① マウスピース矯正の仕上がりは「正中線・スマイルカーブ・角度・左右対称・前後バランス」の5つで決まります。

② インハウス型(院内製造)は2か月ごとに調整できるため、顔のバランスを保ちながら仕上げやすいとされています。

③ 「デジタルセットアップ(ゴールのシミュレーション)」の質が、矯正治療全体の成功を大きく左右します。治療を検討する際は、担当医がどのようなセットアップ方法をとっているか確認してみるとよいでしょう。

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今後5年の歯科のトレンドは何?一般歯科医にアライナー矯正治療の知識は必要か?

5年後、アライナー矯正はもっと当たり前になる?— アメリカの最新トレンドから見える未来

矯正治療の世界では、アメリカで流行したものが数年後に日本でも広がる、という流れが繰り返されています。今回は、最新のアメリカの矯正学会の内容をもとに、「今後5年で歯科の現場がどう変わっていくか」をわかりやすくご紹介します。これからアライナー矯正(マウスピース矯正)を考えている方にとっても、知っておくと役立つ内容です。

アメリカの「今」は、日本の「5年後」

矯正治療に関する新しい技術や考え方は、多くがアメリカで誕生し、その数年後に日本へ広がってきました。たとえば、世界的に有名なマウスピース矯正「インビザライン」は、アメリカで1998年に登場し、日本でサービスが始まったのは2006年。つまり約8年の時差がありました。

このように、アメリカの矯正学会で今話題になっているテーマを見ることで、「数年後の日本の歯科医療がどうなっていくか」をある程度予測することができます。

2026年のアメリカ矯正学会で注目されたテーマ

2026年に開催されたアメリカの矯正学会では、「インハウスアライナー」という考え方が大きな注目を集めました。これは、外部の製作会社にマウスピースの設計・製作を依頼するのではなく、歯科医院内でスキャン・設計・製作までを一貫して行う仕組みのことです。

実はこのテーマ、コロナ禍より前(2018年頃)のアメリカの学会ではほとんど取り上げられていませんでした。それが、3Dプリンターの技術が急速に進化したことをきっかけに、急激に注目されるようになったのです。

なぜ「3Dプリンター」がカギになるのか

近年、歯科用の3Dプリンターは性能が大きく向上し、価格も手が届きやすくなってきました。3Dプリンターがあれば、次のようなことが院内でできるようになります。

 

  • 歯型の模型作成
  • マウスピース型矯正装置の製作
  • インプラント治療のためのガイド作成

 

つまり、歯科医院が自前で「設計から製作」までを行える環境が、どんどん広がってきているのです。これにより、今まで外部委託が当たり前だったマウスピース矯正も、院内で完結できる時代に近づいています。

マウスピース矯正は、矯正専門医だけのものではなくなる

これまで、マウスピース矯正は矯正治療を専門に行う歯科医院で受けるイメージが強かったかもしれません。しかし今後は、一般的な歯科医院(かかりつけの歯医者さん)でも、マウスピース矯正を取り入れるところが増えていくと考えられています。

たとえば、インプラント治療を行う前に、傾いてしまった歯を少しだけ整える「補綴前矯正(治療前の歯並び調整)」という場面があります。実はこうした「ちょっとした歯の移動」には、マウスピース矯正がとても向いていることが、以前から研究でも示されています。ワイヤーをすべての歯につけるのは患者さんにとって負担が大きいため、軽い調整であればマウスピースで対応する、という選択肢が広がっていく可能性があります。

患者さんにとってのメリット

院内で一貫して矯正治療を行う「インハウスアライナー」が広がることで、患者さんにとっても次のようなメリットが期待されます。

 

  • いつも通っている歯科医院で、矯正からその他の歯科治療まで一貫して相談できる
  • スキャンから装置の調整まで、よりスピーディーに対応してもらいやすくなる
  • 形状記憶素材など、新しい技術を取り入れた装置を選べる可能性が広がる

 

「専門の矯正医院に行かないと、マウスピース矯正は受けられない」という時代から、「かかりつけの歯医者さんでも相談できる」時代へと、少しずつシフトしていくことが予想されます。

まとめ

アメリカで起きている変化は、数年後の日本の歯科医療を映す「予告編」のようなものだと言われています。マウスピース矯正の技術はどんどん進化し、より身近で受けやすい治療になっていく流れにあります。

これから矯正治療を考えている方は、「マウスピース矯正は特別なもの」という固定観念にとらわれず、ご自身の歯並びの状態に合わせて、どんな選択肢があるのかを歯科医院でじっくり相談してみることをおすすめします。

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尾島賢治先生の無料矯正相談

八重歯が気になる矯正治療ではどの歯を抜歯する?アライナー矯正治療

「抜く歯ってどれですか?」

矯正治療の抜歯の疑問、すべて答えます

 

矯正の相談に来られた患者さんから、最もよく聞かれる質問のひとつが

「もし抜歯が必要な場合、どの歯を抜くんですか?」

今回は尾島賢治先生が、その疑問にわかりやすくお答えします!

はじめに:抜歯と聞くと不安になりますよね

「歯並びが気になって矯正を考えているけれど、歯を抜くのが怖い」「出っ張っている歯や、内側に入り込んでいる歯を抜くのかな?」と心配される方はとても多いです。

でも安心してください。どの歯を残し、どの歯を抜くかには、しっかりとした考え方があります。むやみに歯を抜くことはありません。今回はその理由を丁寧に解説します。

大前提:すべての歯には大切な役割がある

まず大切なことをお伝えします。いらない歯は一本もありません。口の中の歯はそれぞれが重要な役割を担っています。矯正治療では、できる限りすべての歯を残すことを前提に治療計画を立てます。

たとえるなら、野球チームの大谷翔平選手のような存在。特に「犬歯(けんし)」は矯正治療においても別格の重要性を持つ歯です。

犬歯(けんし)ってどんな歯?なぜ大切なの?

犬歯は前から数えて3番目の歯で、尖った形をしていることが特徴です。別名「糸切り歯」とも呼ばれます。

犬歯が特別な理由 3つのポイント

  • 根っこが長い:歯の根っこ(歯根)が他の歯に比べてとても長く、顎の骨にしっかり固定されています。
  • 後ろの歯を守る:前歯と奥歯の境目として、奥歯に余分な負担がかかるのを防いでくれます。
  • 犬歯誘導の役割:横に顎をずらしたとき、犬歯だけが接触して他の歯を守る「ガイド」の役目をします(詳しくは後述)。

「飛び出した犬歯があるけど、この歯を抜くの?」と心配される方は多いのですが、尾島先生の方針では犬歯はできる限り抜かずに残すのが基本です。

では、実際にどの歯を抜くの?

答えは「第一小臼歯(だいいちしょうきゅうし)」です

抜歯が必要な場合、最もオーソドックスなのは4番目の歯「第一小臼歯(小さい奥歯)」を抜く方法です。

 

第一小臼歯を抜くことでスペースをつくり、飛び出した犬歯や前歯を正しい位置へ移動させることができます。抜いた後は、矯正治療が完了するころには隙間も埋まり、自然な仕上がりになります。

「内側に入り込んでいる歯がある場合」も抜かなくていいの?

正面から見たとき、前歯が1本だけ内側に入り込んでいて「この歯を抜くのでは?」と思う方もいます。でも基本的にはその歯は抜きません。

内側に入った歯がある場合の治療の考え方

内側に入っている歯(主に2番目の側切歯)であっても、噛み合わせが極端に悪かったり、歯が大きく傾いて動揺しているといった特別な問題がなければ、4番目(第一小臼歯)を抜いてスペースをつくり、内側の歯を正しい位置に並べなおすのが標準的なアプローチです。

仕上がりのとき、上下の前歯4本+犬歯2本の計6本が美しく並んでいる状態こそが、見た目にも機能的にも最高の状態です。

⚠️ ただし、対象の歯がすでに神経を失っていたり、歯を支える骨が大きく減っていたり、著しく揺れている場合などは、その歯を優先的に抜くことを検討することもあります。治療計画は一人ひとり異なります。

重要キーワード「犬歯誘導(けんしゆうどう)」とは?

矯正治療の目標のひとつに「犬歯誘導」という噛み合わせのゴールがあります。

犬歯誘導のしくみ

上下の犬歯が少しずれた状態でしっかり噛み合っている状態を「犬歯誘導」といいます。顎を左右に動かした際に犬歯だけが接触し、他の歯は浮いた状態になります。

この状態だと、横方向にかかる強い力が犬歯に集中して分散されるため、奥歯が守られ長持ちします。これが理想的な噛み合わせとされています。

犬歯誘導ができない場合は、複数の歯で横方向の力を分担する「グループファンクション」という噛み合わせにすることもありますが、尾島先生は可能な限り犬歯誘導を目指した治療計画を立てています。

よくある質問まとめ

  1. 出っ張っている犬歯は抜かないといけない?
  2. 基本的には抜きません。犬歯はとても重要な歯なので、矯正治療で正しい位置に移動させます。4番目の歯(第一小臼歯)を抜いてスペースを作るのが一般的です。
  3. 内側に入っている前歯があるのですが、その歯を抜くの?
  4. 原則として抜きません。内側に入っている歯も並べなおすことができます。スペース確保のために第一小臼歯を抜くのが標準です。
  5. 矯正治療では必ず抜歯するの?
  6. すべての患者さんに抜歯が必要なわけではありません。歯並びのスペースが十分にある場合は、抜歯なしで治療できることもあります。まずはご相談ください。
  7. 抜いた後、隙間は残ってしまう?
  8. 矯正治療が完了するころには歯が移動して隙間は閉じます。治療終了後に不自然な隙間が残ることはありません。

まとめ:抜歯に対する不安は相談してください

今日のポイントを整理しましょう。

  • 抜歯が必要な場合、最初に検討するのは4番目の歯(第一小臼歯)です。
  • 飛び出した犬歯・内側に入った前歯でも、基本はその歯を抜かずに並べなおします
  • 犬歯は根っこが長く、後ろの歯を守る「犬歯誘導」の役割があるため、できる限り残すのが基本方針です。
  • 例外的に、神経がない・骨が大きく減っているなどの場合はその歯の抜歯を検討することもあります。

「自分の場合、どの歯が対象になるの?」という疑問は、実際のレントゲンや口腔内の状態を確認しなければ正確にはわかりません。まずはお気軽に矯正相談にお越しください。

 

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尾島賢治先生の無料矯正相談

 

 

臼歯の咬耗が大きい場合アライナー矯正治療でどう仕上げる?

今回は、歯科医師の先生からのガチ相談。

「奥歯がすり減っている(咬耗)患者様に、どう説明し、どう治療すべきか?」という深いテーマについて、尾島先生が本質を突いた回答をまとめました。

患者様だけでなく、治療方針に悩むドクターも必見の内容です。

衝撃の事実:そのまま噛ませると「抜歯」になる?

奥歯の「咬耗(こうもう)」が激しいということは、歯の表面を保護する最強のバリア「エナメル質」がすでに失われている状態です。

  • 現状: 柔らかい組織(象牙質)がむき出し。
  • リスク: そのままの状態で矯正して噛み合わせると、さらに摩耗が進み、神経が死んだり(失活)、最終的には歯を失う(抜歯)可能性が非常に高い。

尾島先生の直言: 「壊れていくのが分かっている未来に向かって、治療を進めていいんですか?」

️ 家づくりで例える「プロとしての設計思想」

患者様から「被せ物(補綴)はしたくない」「削りたくない」と言われた時、先生は悩んでいませんか?これを「家の建築」に例えてみましょう。

  • 患者様の希望: 「リビングを広くしたいから、この柱を抜いて!」
  • 専門家の判断: 「その柱を抜くと、家全体が崩れます。危険です。」

ここで「お客様が言うなら…」と柱を抜いて家が崩れたら、それは誰の責任でしょうか? プロであるならば、たとえ患者様の希望であっても、医学的にリスクがあることは「できない」とはっきり伝える勇気が必要です。

成功するドクターの説明・提案術

患者様に流されるのではなく、「なぜ補綴(被せ物)やクリアランスが必要なのか」を論理的に説明することが信頼に繋がります。

  1. 未来を予測して伝える: 「今のまま噛ませると、数年後には全ての歯がダメになります。それを防ぐために修復が必要なんです」と伝える。
  2. 目的を明確にする: 矯正はただ並べるだけでなく、歯の寿命を延ばすために行うもの。そのための「バイトアップ」や「クリアランス作成」であると説明する。
  3. 妥協しない: 安全性が確保できない治療は、患者様のためを思ってお断りするのも一つの誠実さです。

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歯が動きやすいタイミングはいつ?アライナー矯正治療について解説します

歯科矯正を検討中の患者様、そして治療計画を立てるドクターの皆様へ。

「矯正治療って、いつ歯が一番動くの?」という疑問を持ったことはありませんか?実は、歯の動きには「動きやすい時期」と「動きにくい時期」という明確なリズムがあります。

尾島賢治先生が教える、生物学的・物理的なメカニズムに基づいた「歯の動かし方の極意」を分かりやすくまとめました!

🚦 歯が動きやすいのはいつ?

結論から言うと、「治療の開始直後」が一番動きにくいのです。

1. スタート時(0から1)が一番大変!

歯は硬い骨の中にしっかりと埋まっています。これを動かし始めるのは、自転車を赤信号から漕ぎ出すときのように、一番大きなパワー(負荷)が必要です。

  • メカニズム: 圧力が加わると骨が溶け(吸収)、反対側に新しい骨ができる「リモデリング」が始まるまでには時間がかかります。

2. 治療途中は「ゴールデンタイム」

一度動き出すと、歯の周りには「新しくて柔らかい骨」が作られます。

  • メリット: 骨が柔らかいので、歯がぐんぐん移動しやすくなります。
  • 注意点: 歯が少しグラグラしたり、噛むと痛みを感じやすい時期ですが、これは順調に動いている証拠です。

3. 終盤は「精密な列駐車」

最後は大きな移動ではなく、理想的な位置にカチッと収める細かい調整に入ります。移動距離は短くなりますが、ここが美しさの決め手です。

💡 インハウス(院内製作)システムの圧倒的メリット

ここで重要になるのが、「アライナー(マウスピース)をいつ作るか」という戦略です。

製作スタイル 特徴とリスク
一括外注型 最初から最後まで全ステージを一気に作るため、一番動きにくい初期段階で計画からズレ(アンフィット)が生じやすい。
インハウス型 最初の1〜2ヶ月動かし、歯が動きやすくなった状態で再度スキャンして続きを作る。ズレが少なく、パチッとフィットする!

Point: 動きにくい「0から1」をクリアしてから最新の歯型を反映させるインハウスシステムは、非常に理にかなった戦略と言えます。

🔥 歯をもっと動かすための「ラップ効果」

抜歯が必要な症例の場合、「抜いた直後」が最大のチャンスです。

  • ラップ効果(RAP): 抜歯した直後は、傷を治そうと血液が集中し、周囲の代謝が爆発的に上がります。このタイミングを逃さずアライナーを装着することで、効率よく歯を動かすことができます。

✨ まとめ

  • はじめ: 動きにくい。痛みや違和感が出やすいが、焦らず一歩ずつ。
  • なか: 動きやすい!治療が一番進む時期。
  • あと: 細かい調整。仕上がりを完璧にする時期。

ドクターにとっては、初期段階に無理な移動を入れない「戦略的なステージング」が成功の鍵となります。患者様にとっては、最初は大変でも「だんだん楽に、動きやすくなる」と知っておくだけで、安心して治療を続けられますよね。

 

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大人の方にもおすすめのアライナー矯正治療の理由〜矯正治療は子供のためだけのもの?〜

40代・50代の矯正治療、遅すぎるなんてことはありません

「矯正治療って子どもがするもの?」「もう年齢的に遅い?」——そんな疑問にお答えします。実は40代・50代・60代こそ、矯正治療のベストタイミングかもしれません。

まず結論から

矯正治療に年齢は関係ありません。
当院では最高齢75歳の患者様も治療中です。矯正できる歯と骨の状態があれば、何歳からでもスタートできます。

大人の矯正が増えているのはなぜ?

子育てひと段落のタイミング

お子さんの教育が落ち着いた今こそ、「自分のために」と踏み出す方が増えています。

2回目の矯正はマウスピースで

学生時代にワイヤー矯正を経験した方も、マウスピースなら抵抗感なく始められます。

ずっと気になっていた方へ

「一度も矯正したことがない」という方にも、マウスピース矯正は心理的ハードルが低くおすすめです。

歯を守る予防として

矯正治療は歯並びを整えるだけでなく、歯を失わないための予防効果が最も高い治療の一つです。

何歳でも始められる

40代→ベストタイミング

50代→ベストタイミング

75歳→当院最高齢

大人にマウスピース矯正が向いている理由

①歯への負担が少ない

矯正力がやさしく、歯や歯茎へのダメージを抑えられます。

②口内炎・傷のリスクがない

金属ワイヤーによる口内の傷や不快感がありません。

③外して食事・歯磨きができる

取り外し可能なので、歯のお掃除がしやすく衛生的です。

大人は真面目だから結果が出やすい

1日20時間の装着など自己管理が必要なマウスピース矯正は、真面目に取り組める大人の方に向いています。

歯の大切さを知っている方ほど、良い結果が出ます。
「絶対に歯を守りたい」という意識がある方は、治療への取り組み方が違います。その真剣さが、きれいな仕上がりにつながります。

〈お子さんへの一番の贈り物〉

〜親が先に矯正するのが、実は効果的〜

子どもは親の真似をします。「あなただけやりなさい」よりも、お父さん・お母さんが先にきれいな歯並びになって「お掃除しやすくなったよ!」と見せてあげることで、お子さんも安心して矯正に踏み出せます。

矯正治療のご相談はお気軽にクリニックまでどうぞ。

何歳でも、一緒に理想の歯並びを目指しましょう。

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アライナー矯正治療の『基礎知識』(6) 顎位について

マウスピース矯正と「顎の位置」の関係って?
最新治療で何が変わったの?


今日は
「矯正治療中に顎の位置はどう変わるのか」
というちょっとマニアックだけど
実はとても大切なお話をわかりやすく
お伝えします。

 

そもそも「顎位(がくい)」って何?

顎位とは上顎と下顎の位置関係のこと。
噛み合わせの土台となる大切な要素です。

歯並びが悪い状態では、
顎の位置もそれに合わせてズレていることが
よくあります。

例えば
**出っ歯気味で上の前歯が内側に傾いている方(クラスIIディビジョン2)**は、
下顎が後ろに押し込まれていることが多いです。

 

従来のマウスピース矯正(外注型アライナー)
の課題

インビザラインなどの外注型アライナーは
治療開始時の顎の位置をもとに
最初からすべてのマウスピースを作ってしまいます。

 

でも、歯が少しずつ動いていくと…
顎の位置も一緒に変化していきますよね?

 

問題点: 治療を進めるにつれて顎の位置が
変わっているのに最初に作った設計のまま治療を続けることになってしまう。

 

これは少し「もったいない」状態。
顎の変化に対応できないまま治療を続けると

本来は必要のなかった歯の移動が計画に入ってしまうこともあります。

 

ワイヤー矯正との違い

ワイヤー矯正(ブラケット矯正)では、こんなことが自然にできています

 

最初に細いワイヤーで

歯並びを整える(レベリング)

歯が動くたびに、その都度先生が口の中を確認

変化した顎の位置に合わせてリアルタイムで調整

 

つまり、歯の動きと顎の変化を常に確認しながら治療を進められるのが強みです。

 

最新の「インハウスアライナー」で何が変わった?

近年、**クリニック内で製造できる形状記憶アライナー(インハウスアライナー)**という新しい技術が登場しました。

これにより、1〜2ヶ月ごとに新しいスキャンを取り、そのときの顎の位置に合わせてマウスピースを作り直すことができるようになりました。

患者さんへのメリット

外注型アライナー  (従来)                 インハウスアライナー治療(最新)
開始時の顎位で全枚数を製造     1〜2ヶ月ごとに再スキャンして作り直す

治療途中の咬合変化に対応できない   顎の変化にリアルタイムで対応

不要な歯の移動が計画に入りやすい   必要な移動量だけを計画できる

移動が増え、治療期間が延びやすい   治療期間の短縮が期待できる

わかりやすく言うと…

「写真の現像」に似ています

 

かつての写真はフィルムカメラで撮り、

写真屋さんに現像に出して数日後に受け取るものでした。

 

今はスマートフォンで撮って

すぐ確認・共有・プリントできる時代に

なりました。

マウスピース矯正も同じです。

 

外注型アライナー = フィルムカメラ時代(全部まとめて外注・受け取り)
インハウスアライナー = スマートフォン時代(その場で確認・必要な分だけ作製)

 

テクノロジーの進化で

より柔軟で精度の高い治療が可能になってきています

 

咬合に対応できると何が変わる?

治療期間の短縮

無駄な歯の移動がなくなり、必要な移動だけに絞れるため、治療がスムーズに進みます。

より精密な治療計画

実際の歯の状態に合わせてリアルタイムで計画を修正できるため、より精度の高い治療が可能です。

患者さんの負担軽減

不必要な移動が減ることで、治療中の違和感や不快感が少なくなり、快適な矯正治療につながります。

柔軟な対応が可能

治療中に予想外の変化があっても、次のアライナー作製時に対応できるので安心です。

 

まとめ

矯正治療中顎の位置は

歯の動きとともに変化していく

 

外注型の限界

治療開始時の顎位で全アライナーを設計するため

治療中の咬合変化への対応が難しかった

 

内製化の強み 最新のインハウス型アライナー

1〜2ヶ月ごとに再スキャン→アライナー再作製で、

定期的に顎位を確認しながら柔軟に対応できる

 

結果として、無駄な歯の移動が減り、治療期間の短縮にもつながる 

より快適な矯正治療へ
インビザラインが日本に上陸した2006年から20年——
アライナー矯正は今、まったく新しい世代に突入しています。

 

マウスピース矯正を検討中の方

または現在治療中の方も、ぜひ担当の先生に

「顎の位置の変化にはどう対応していますか?」と聞いてみてくださいね

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