マウスピース矯正で使うマウスピースの厚みは、どのくらいか気にしたことがありますか?

皆さんが使っているマウスピース矯正の厚みは、どのくらいか気にしたことがありますか?

今日の内容を最後までご覧頂くと、マウスピースの厚さって何が重要なの?というのがわかりますので、ぜひ最後までご覧ください。

歯ぎしり防止用とか、就寝時グーッと食いしばったりすることからマウスピースが必要な場合、通常は 1mmだったり、1.5mm というのが多いです。
ですが、矯正治療用で実際に歯を動かすためのマウスピース(アライナー)というのは、インビザラインの場合は0.5mm の厚みと決まっています。

0.5mmでも非常に強いです。グーッと噛みこんでもそんなに切れたりするものではありません。矯正治療用のマウスピースの場合は、1週間程度で新しいマウスピースに交換したりもしますので、かなり薄いというのが特徴です。

マウスピースの厚さは自由に変えられるんですか?

スマイルイノベーション矯正歯科のマウスピース矯正は、患者様の歯の状態や、矯正移動、治療計画によって、マウスピースの厚さを自由に変えています。

なぜそれが実現可能なのか?お話ししていきます。

マウスピース矯正にも色々な種類があり、考え方も様々です。インビザラインのような会社に製作をお願いするタイプのものだと厚さはもう決まってます。
なぜかというと、製作方法に理由があります。
現在のインビザライン矯正は、1枚のプラスチックのシートを熱して、模型に圧接して切り取る方法を用いています。プラスティックのシートの厚みは一定であり、一定の
品質が保たれていますので、厚さは変わりません。

一方、医院内の技工所で製作するインハウスアライナーでは、厚さを自由に変えることができます。

以前は、マウスピースの厚みについてそこまで考えたことはありませんでした。当然患者様にとっては薄ければ薄い方が快適ですので、0.5mm という厚みについて、当たり前のように使用していました。

ですが最近では、マウスピース矯正の専門の医院はどんどんインビザラインのような外注システムから、インハウスアライナーの方に移行している方が世界的に多いです。スマイルイノベーション矯正歯科・新宿でもそのように2020年くらいからインハウスアライナーの導入を始めています。

インハウスアライナーになると、全部自分たちの技工所で内製化しているんです。つまり僕がこの患者さんはここの部分を少し厚くしたいなと考えれば、厚みを出すことができますし、マウスピースの形態も必要に応じて変えることができます。

さらに最近発表された新しい論文では、上顎前歯を内側に入れたりする時には、唇側の厚さを変えるとよりコントロールしやすい、とそういう色々なデータが出てきてます。面白いですね!

つまり今までは、マウスピースの厚みはもちろん、材質や形態を自由に設計できなかったため(製品によって決められているルールがあります)アタッチメントでコントロールするというのがインビザラインの全盛の時代だったお話です。
スマイルイノーベーション矯正歯科でも、必ずと言っていいほどアタッチメントを装着していました。

ですが、これからの時代はインハウスアライナーの時代にどんどんなってくると予測しています。

インハウスアライナーになってくるとアタッチメントではなくてマージンライン(マウスピースの辺縁の長さ)と、アライナーの厚さ、あとアライナーの形態を自由に設計できます。これは今までにない画期的な考え方です。

今まではアタッチメントだけで何かしらアライナーの効果を高めたりするっていう風に努力していたんですけど、今後インハウスアライナーであれば、先生方が歯の移動状態によってマージンを変えたり、 厚さを変えたり、さらにアライナーの形態を変えたりなど、それでどんどん効果的に効率的に歯を動かしていくという時代になってきます。

今までインビザライン矯正をしていた先生からすると、歯にアタッチメントをつけないとマウスピースで治療計画通りに動かないと思ってしまうと思うのですが、必ずしもそうではないのです。今まではアタッチメントをつけることしかできなかったので、そうでしたが、インハウスアライナーではいろいろな戦略を考えることができます。より患者様の状態に合わせてカスタマイズできるという点では、我々クリニック側にとっても、患者様側にとってもメリットが大きいです。

アタッチメントをより少なく、場合によっては装着することなく歯が動くのであれば、皆さんも嬉しいですよね!

一言にマウスピース矯正治療といっても、アタッチメントが必要なインビザライン矯正もあれば、マウスピースの材質、マージン(辺縁)、厚さ、形態を自由に変えることができるインハウスアライナーと呼ばれるマウスピース矯正もあると知っていただけたら嬉しいです。

 

インハウスアライナーによるマウスピース矯正については、今後もブログの中でご紹介していきますね。

今日の内容を最後までご覧頂きありがとうございました。

それではみなさん ごきげんよう。

インビザラインあるあるYoutube
『インビザラインのマウスピース厚みは何ミリ?調整はできるの?』にて、動画でもご覧いただけます↓↓

マウスピース矯正中の歯の揺れについて解説します

皆さん ごきげんよう、尾島です。今日は患者様向けのお話しを致します。

矯正治療中の患者様からよくいただくご質問で、「インビザラインを始めて歯が揺れるようになりました。心配です。大丈夫でしょうか?」というご質問があります。

歯が揺れてきたら心配ですよね。お答えしていきます。

まず矯正歯科治療というのは、歯のみを動かすわけではありません。歯そのものは変わらないんです。ただ、周りの骨の形が移動と共に変わってくるわけです。

歯の位置が変わるので、歯の場所が変わっているとか 、形が変わっている感じがあるんですけど、実は矯正治療ではワイヤー矯正でもマウスピース矯正でも、歯にグーッと矯正力が加わります。力がかかって歯が押されると、押された側に接している骨は「充血」を起こします。充血によって、破骨細胞が出現して押されている側の骨をどんどん吸収して、そこに歯が移動していきます。

一方、元々歯があった押す側の骨と、歯の間には空間が開きます。歯が動くと、空間側には骨をどんどん作るための骨芽細胞が出現して、骨を作っていきます。

これを繰り返しながら、歯というのは動きます。
これを「骨のリモデリング」と言います。

つまり矯正歯科治療というのは、歯を動かすイメージがありますが、実は骨の形を変えていくことでもあるのですね。

歯が揺れると「歯が弱くなってしまったの?」「歯が溶けてしまったの?」なんて考えてしまったりしますが、そうではありませんのでご安心ください。

歯を押す側に骨が作られる時には、始めは柔らかい骨ができるんです。
その時にはまだ歯がグラグラします。

ワイヤー矯正とインビザライン矯正では、歯の揺れ方に差があるの?

マウスピース矯正の場合は、ご自身でマウスピースの取り外しを行います。マウスピースを装着している時には気づかないのですが、取り外す瞬間や、マウスピースを外して食事をする時には歯を固定するものがないので、とても歯が揺れていると感じやすいです。それで驚く方が多いですね。

ワイヤー矯正の場合は、ワイヤーで全ての歯が繋がっていて固定されているため、歯の揺れについて気づきにくいのですが、実はワイヤーを外した時には驚くほど歯がグラグラしている場合が多いです。ワイヤー矯正治療に比べると、マウスピース矯正の方が歯にかかる力がコントロールされている(1枚のマウスピースで0.25mm程度の移動となっています)ので、動揺する程度も小さいと言えますが、どちらにしても歯が揺れると心配になるものなので、今回のお話で少し安心していただけると嬉しいです。

矯正治療中の歯の揺れに対して注意することはありますか?

矯正治療の食事について気をつける点があります。すごく硬いものを噛んだりなどすると歯の揺れがひどくなったり、それにより痛みがでたりすることがあります。マウスピース矯正はマウスピースを外して何でも噛めるという点は良い点でもありますが、あまり硬いものは注意して噛んでくださいね。

あと氷を噛むクセがあるとかそういう人もちょっと危険ですね。

あとは、歯が揺れるのを気にして、指で揺らしたりするのも良くないので、それはしない方がいいかと思います。

どちらにしても、矯正治療中の歯の揺れについては心配ありませんよ。というとこだけ覚えていてください。

最後までご覧いただき、ありがとうございました。
それでは みなさんごきげんよう。

歯の動揺について、動画でも解説していますので見てみてください↓↓↓