インビザライン矯正治療の進め方のポイントについてお話しします

皆さんごきげんよう 尾島です
今回は、矯正歯科医院でのインビザライン矯正治療の進め方のポイントについてお話ししていきます。

インビザライン矯正治療の進め方のポイント

歯並びにお悩みの方や、マウスピース矯正をしたいなと考えている方は、ぜひ最後まで読んでみてください。

インビザライン矯正は、ずっと同じマウスピースで矯正治療をするわけではありません。患者様が自分でマウスピースを交換していきます。

従来のワイヤー矯正は、矯正歯科医院に行った時にワイヤー装置を調整する必要がありました。針金を切ったりとか、ゴムを外してワイヤーを外してお掃除してまた新しいワイヤーをつけるというようなことをします。

インビザラインの場合は(前回のブログでお話しさせていただいた)0.25mm だけ動くマウスピースを、患者様がご自身で新しく順番に交換して徐々に歯を動かしていくんですね。じゃあ、この交換日数はどうするのかというと、だいたい10日とか場合によっては14日、2週間だったり、もしくは先生の指示によって7日だったり、5日だったり、3日だったり、交換日数は治療計画を作っている先生によってそれぞれの指示があります。決められた日数ごとに患者様がマウスピースを交換していくわけですね。

なので、まずこのマウスピースの交換は自分でするというのが重要です。
今までは病院に行かないとダメでしたよね。だけれども自分で変えていく。そうすると、何か自分が動かしたっていうなんかね、喜びがあるんですよ。

昔、塾で勉強したりするドリルやるでしょう。今日のドリルとかね。
こんなにやったんだみたいな感じの達成感というわけです。
病院に行ってギューじゃなくて、自分で先生に言われて分かりました、じゃあやりますって感じで交換していく共に治していこうみたいなそういう喜びがあるわけです。

枚数が進むとそれだけ歯が動きますので、それも自分自身で動かしている感覚もあるので、枚数が進んでいくと嬉しいんですよ。僕もインビザラインやりましたけど「おっもう25枚目まできたんだ!」とかね。だからレベルを上げていく感じ、それも面白いんじゃないかなと。なので自分で交換していくと。

インビザライン矯正は歯科医院に通院しなくても大丈夫なの?

通院は必要です。どのような矯正方法でも、矯正治療は途中経過がとても重要です。どんなに良い分析ができて、良い治療計画を作っても、本当にその治療計画通りに動いているのか、安全に動いているのか?と確認する必要がありますし、万が一予定と異なる場合は、軌道修正が必要です。
軌道修正が早い時期であればあるほど、安全ですし、時間ロスに繋がるので結果的には総合的な治療期間の短縮にもなります。

1ヶ月に1回とか、2ヶ月に1回とか、先生が次回、いつぐらいに来てくださいっていうのを指定していただけますので、その時に行って歯がしっかり動いているかどうかをちゃんと確認しながら治療を進めていく必要があります。

マウスピースを全部お渡しして、さよならバイバイじゃなくて、ちゃんとステップステップを踏んでいくわけですね。

 

インビザライン矯正の通院ではどんなことを確認するの?

  • マウスピースの適合具合

インビザライン矯正の場合、確認したいことは「マウスピースがぴったり適合しているか?」です。そのため、スマイルイノベーション矯正歯科では、インビザライン矯正の定期チェックの御来院時には使用しているマウスピースを必ず持ってきていただきます。

  • マウスピース交換のスケジュールが予定通りかどうか

マウスピースの交換スケジュールがずれていても問題ありません。予定とどのようにずれているのか確認させていただきます。スマイルイノベーション矯正歯科では、マウスピースの交換日に「交換メール」が届きますので、ほとんどの患者様が予定通りに交換して進めていただいていますが、中には装着時間が短かかったなどでスケジュールを延ばして使用される場合もあります。そのような場合、スケジュールの調整を行います。

  • コンプライアンスの確認

患者様には、決められた時間マウスピースを使っていただけていたか?を必ずお聞きしています。これは、使用時間によってインビザライン矯正の進行が大きく関わるからですが、もし守れなかったとしても怒ることは致しません。我々は患者様を応援する立場ですので、どうしたら使用時間を延ばすことができるか、などを一緒に考えていきます。

  • 歯や歯茎の健康状態の確認

診察時にはドクターが口腔内を診察させていただきます。それによって、歯や歯茎の状態を確認させていただきます。

インビザライン矯正の通院はどのくらいの頻度になりますか?

マウスピース矯正は、ワイヤー矯正治療に比べると、比較的通院回数は少ない矯正方法といえます。ワイヤー矯正の場合は、2週間〜4週間くらいに1回でしょうか。ワイヤー矯正で長期間の分を一度に力をかける、ということはなかなかできません。通院しないと進まないため、1ヶ月以内には1回の通院頻度となります。

マウスピース矯正は、初めの数ヶ月、使用方法や歯の移動具合を確認させていただき、それを超えると2〜3ヶ月の頻度での通院になる場合もあります。

緊急対応が少ないのもマウスピース矯正の魅力です。「ワイヤーが刺さった」「金属の装置が外れた」というような緊急対応ですぐに通院が必要、、ということもマウスピース矯正では少ないです。

通院方法や治療の進め方は、矯正歯科医院や先生の考え方、患者様の状態によって異なりますので、担当の先生と相談してみてくださいね。

最後までお読みいただきありがとうございました。

 

インビザライン矯正について徹底解説します②インビザラインで動かす歯の移動量はどのくらい?

皆さんごきげんよう、尾島です。
本日は、昨日の続きで『インビザライン矯正について徹底解説します』の中の、インビザラインで動かす歯の移動量についてお話します。

② インビザラインで動かす歯の移動量はどのくらい?

1枚の透明なマウスピースが歯をどれぐらい動かすのか?ということなんですね。

結論から言います。インビザライン矯正治療の場合、歯を動かすマウスピース、専門用語でいうとアライナー(Aligner)と言いますが、1枚のアライナーで移動する量は最大0.25mmとなっています。

1枚マウスピースを交換するごとに、0.25mm 歯を動かすわけですね。何だそんだけしか動かないのか?と。ダメだー!とね。もっと針金のでグーンとしっかりやりたい!ではなくて、この0.25mmというのがすごく重要なんです。

これは1mmの4分の1ですね。4枚で最大1mmです。1mmぐらいグーンと一気に動かした方がいいじゃんと思うじゃないですか。だけど歯というのは、歯の頭の部分を歯冠って言うんですけど、根っこの部分を歯根といってねで根っこの周りには骨があるんです。
この骨と歯根の間には空間があります。骨と歯根ってピタッとくっついてないんですよ。ちょっと空間があるんです。この空間には歯根膜というものが入っていて、歯根膜の入っている空間なので、歯根膜腔といいます。この空間が0.25mm なんです。約0.25ミリと言われています。

歯根膜は、常に一定の厚みになるように調整されます。

歯を動かそうとした時に、押している方向にある歯根膜はぐーっと歯が動いて押されて一時薄くなります。反対側は歯根膜腔が広がります。薄くなった方は、一定に厚みに戻りたいので、骨を吸収して空間を広げて、歯根膜が元に戻る、という流れで歯が動いていきます。

歯を思いっきり速く動かしたい気もしますが、この0.25mm ずつ動かすことで、無理なく痛み少なく歯をコントロールできますよっていうことなんですね。そこでさらに骨が吸収と添加というリモデリングを繰り返していくことで徐々に歯が動いていきます。なので1mm分を一気に移動させようとしても、0.25mmの空間しかないので、ただ圧が加わって、場合によっては歯が動かない、もしくはとても痛い経験をすることになります。『なんでインビザラインって痛くないの』って、そういう科学的な根拠をもとに作られているからなんですね。

やっぱり、1枚マウスピースを飛ばしたりすると、それだけ歯が一気に動くので痛みを感じたりします。

それから、この骨のリモデリングは、歯根膜が元の厚みに戻るためには約1週間くら必要です。そのため、インビザライン矯正のマウスピースは1週間ごとに交換できるのですね。1週間して歯根膜の厚みが0.25mmに戻れば、また次の歯の移動へ進めるというイメージです。

だからこの0.25mm、これが超重要なんですよ。

現在インビザライン矯正のマウスピースは、コンピュータ上で設計されて作製されています。コンピュータを使えば『0.25mm』という移動を計測することも簡単にできますよね。デジタルなので、たとえばもう少し移動量を少なくしたい場合などに『0.125mm』というのも設定できます。最大0.25mm の移動なので、歯をもっと細かく移動させたい場合や、あまり力をかけたくない歯、根の治療をしている歯とかですね、そいういう歯の場合には移動量を調整しています。

コンピュータを使って設計できるということは、すごく歯にとって安全だと言えますね!

では人間が、僕はすごく器用な方なんですけど、0.25mmワイヤーを曲げれるかと言われたら、なかなか難しいです。なかなか不可能じゃないですか。1ミリの4分の1ですからね。ワイヤーの場合は、デジタルではなくので、ある程度これくらい、という分量で先生がワイヤーを調整しています。移動する量は、はっきりはお伝えできません。おおよそこのくらい、というのは決まっていますが、歯によってはすごく動いていたり、動きが少なかったり、となるかもしれません。

インビザライン矯正の場合、1枚で移動する歯の移動量は0.25mm です。
なので痛みが少ないし、快適な矯正期間中が過ごせると僕は思っています。

これは科学的根拠があり、テクノロジーによってできるようになったことです。

皆さんの矯正治療が、快適に過ごせることを願っています!

それでは次回は【インビザライン矯正治療の進め方】をお話していきます。

またね!

インビザライン矯正治療について徹底的に解説します① インビザライン矯正とは?

皆さん、ごきげんよう尾島です。
本日はマウスピース矯正をしたいなと考えている患者様、もしくはすでにマウスピース矯正を始めている患者様向けのお話しを致します。

インビザライン矯正ってそもそも何ですか?

「インビザライン」というワードは、最近は結構耳にしますよね。昔は何か「何それ?インビ…?.」みたいなそんな感じだったと思うんです。僕も2006年の時からインビザラインをするようになったんですけど、日本でインビザライン矯正が始まったのは2006年なので、ちょうど2023年で17年目となります。

15年16年ぐらい経っているので、だいぶ浸透してきたと思っているんですけど、インビザラインというのは小耳にはするかもしれませんけれども、そもそもどんなものなの?と。

もしかすると、お子さんの世代の方がSNS などで「マウスピース矯正」「インビザライン矯正」などのワードをよく聞いていて知っているかもしれません。自分の歯並びの矯正治療だけではなく、これから自分のお子さんの歯並びについて、どんな矯正治療をしたらいいのか、そろそろ矯正治療をした方がいいかなと考え始めている方にもぜひ一度読んでいただければと思います。

今回の内容は、患者様向けです。歯科医師の先生たちで知らない人はいないんじゃないかと思うんですけれども、もし知らなかったらぜひ見て下さいね。

今回は何回かに分けて、トピックごとに解説していきます。
初回の本日は、総論からですね!インビザライン矯正治療について解説します。

① インビザライン矯正とはどんなもの?

インビザラインというのはまず、商品名です。

今、矯正治療には大きく分けて3つあります。表側のワイヤー矯正、裏側のワイヤー矯正、そしてマウスピース型の矯正装置です。

・表側のワイヤー矯正
・裏側のワイヤー矯正
・マウスピース型の矯正

インビザライン矯正というのは、いろいろな会社が出しているマウスピース型の矯正装置の中の一つの商品名です。

そもそもマウスピース矯正は、透明のマウスピースを使用します。そのため、矯正治療中でも装置が目立たない、薄いので滑舌に影響しにくい、移動による痛みが少ないなどの良い点があります。
透明のマウスピースを装着することで、歯を動かしていくんです。従来の針金と金属の装置をピタピタっとくっつけてグーッと動かしていく、いわゆる「ワイヤー矯正」とは大きく違います。透明のマウスピースの厚さは約0.5mmぐらいなんですけど、そのマウスピースを自分で取り外ししながら、歯を動かしていくシステムです。

矯正治療をする患者様にとって、何が良いかというと、矯正装置が目立たないというのは嬉しい点ですよね。装置が目立たないし薄いし、痛みがないんです。

矯正装置が目立たない透明のマウスピース型の装置です

今までの矯正治療は、金属のワイヤーや装置を使用していました。それを歯に強い接着剤で着けて、矯正治療期間の約2年間(お子さんの場合はさらに長い期間)装置を外すことができませんでした。
思春期のお子さんは、もちろん周りからの目も気にする年齢なので、装置が目立たないということはとても喜んでいただけます。

あと運動しているとかね。スポーツしている人とかって、ボールがゴーンとぶつかったりすると、矯正装置が入っている時に簡単に血が出ちゃったりとか、怪我してたりするんですね。ですけど、マウスピース矯正の場合はそもそもマウスピースが入っているので、ボールが当たったり、転んだりしても歯を守ってくれることになります。

僕は中学、高校はバスケットボール部でした。その時はワイヤー矯正しかなかったので、ワイヤー矯正をしていました。
バスケしている頃にワイヤー矯正していたので、ボールがぶつかったり、人と接触したりしたら口の中を怪我してしまうこともありました。
なので、今の時代はマウスピース矯正であればもっと自由にできるんじゃないかなと思います。

あとは音楽をやっていらっしゃる方とか、そういう人にもすごくマウスピース矯正はありがたいですね。金管楽器や木管楽器をしている方はわかると思いますが、楽器を吹く時にはワイヤー矯正が入っているとできないんです。なので、今までは諦めていた方が多いと聞きます。矯正治療か、もしくは音楽を少しお休みするか、ですね。ですが、マウスピース矯正であれば歯を動かしながら思いっきり自分のしたいことに集中できるんじゃないかなと思います。

マウスピース型矯正治療が痛みが少ないと言えるのはなぜ?

理由は2つあります。

1つ目は、装置自体の痛みです。ワイヤー矯正治療は、やっぱり見た目からして痛そうですよね?実際に痛いんです。表側のワイヤー矯正も、裏側のワイヤー矯正も、装置が口の中の粘膜や頬に引っかかったり、しゃべると舌に当たって切れてしまうということが多いです。
それでもみなさん頑張っていらっしゃると思います。僕も学生時代はワイヤー矯正治療をしていました。
装置をつけてから3日くらいは、通常の食事ができなかったことを覚えています。

ホワイトワックスといって、ワイヤーの尖っているところを保護する口の中用のワックスを、毎回先生にもらって、自分で保護していました。

マウスピース矯正は、そういう装置自体の痛みはほとんどありませんね。

初めてマウスピースを装着した数日はマウスピースの縁が引っかかって口内炎が出来たり、することはあるかもしれませんがほとんど聞きません。

新しい靴を履いたばかりの時は、靴擦れってできますよね。そんな感じです。

ですが、基本的には装置が入っていることで装置が当たって痛い、ということはほとんどないと思います。

痛みが少ないと言える 2つ目の理由は、歯の移動形式にあります。

矯正治療がなぜ痛いかと言うと、硬い骨の中を、歯が動いているからです。ですが、動き方にもワイヤー矯正とマウスピース矯正には違いがあります。

ワイヤー矯正は、矯正歯科医院でワイヤーを締めた日、最も歯が動きますので、数日ものすごく痛みを感じます。一気に力がかかる感じです。数日すると、だんだんと矯正の力が弱まってきて、完全に弱くなる頃に、また矯正歯科医院に行ってワイヤーを締めるというイメージです。

マウスピース矯正治療は、1枚のマウスピースで動く歯の移動量がコンピュータで細かく決まっています。

言い換えると、動きすぎてしまう心配や、力が強すぎる心配がないので、安全ですし、それによって痛みが出ることが少ないと言えます。

マウスピース矯正とインビザラインは同じ意味ですか?

マウスピース矯正の中に、いろいろな商品があります。それぞれ特徴がありますが、インビザラインは数あるマウスピース矯正の中でも、古い歴史があります。日本には2006年に開催されましたが、本社であるアメリカではその15年も前からすでに始まっていました。
特に、CAD/CAM(コンピューター) を使ってマウスピースを製造するという点においては、世界でも最も早く取り入れ、デジタル要素を早くから取り入れることで精度も高く、汎用性が高い矯正装置と言えます。

スマイルイノベーション矯正歯科でも、2007年の開業時からインビザライン矯正を日本でもいち早く取り入れて、2023年までに4000名の患者様のインビザライン矯正を担当させていただきました。

現在では、インビザライン矯正でほぼ全ての歯並びに対応しています。(一部、インビザラインのみでは治すことができない場合もありますので、まずはご相談くださいね)

次のブログでは、インビザライン矯正の歯の移動量について解説していきます。

最後までお読みいただきありがとうございました。

 

 

 

 

マウスピース矯正治療に必要なCT撮影の目的と撮影のタイミングについて

みなさんごきげんよう、尾島です。

今日はマウスピース矯正治療に必要なCT検査の目的についてお話しします。
スマイルイノベーション矯正歯科のマウスピース矯正では、治療前にCTを撮影させていただきます。歯科医院には、レントゲンがある医院はほとんどだと思いますが、CTをその医院で撮影できる医院はそんなに多くないです。
ですが、矯正歯科治療を行う場合は、このCTというのがとても重要だと考えています。CTを撮影する目的やタイミングも、いろいろありますので、今日はこちらについて説明していきます。

 

 

今日の内容を最後まで見ていただくとマウスピース矯正をするときにいつCTを撮影すると治療が成功しやすいのか、ということについてわかりますのでぜひ最後までご覧ください。

今までは矯正治療にも「CTはいらないでしょう」っていう先生が多かったです。

そういう時代もありました。「過剰な撮影なんじゃないの?」とかね

今はそうじゃなくて「CTを撮影しなかったらダメよね」というのがだいぶ分かってきていて、世界の矯正歯科界でもスタンダードになってきています。

マウスピース矯正治療にもCT撮影が必要です、という件は、僕は3年ぐらい前からずっと言ってます。

 

今日のお話はCT撮影のタイミングについてです。

症例別にどんな感じなのかというのをお話ししていきますのでぜひ最後までご覧ください。

CT撮影をすることで、すごく安心して治療が進められると思ってください。

まず初めにお伝えしたいことはこちらです。CTは、歯を動かす時の安全な道を示してくれるものです。

大臼歯の遠心移動をする時のCT撮影のタイミング

大臼歯の遠心移動の時に絶対にCTでしか分からない分析っていうのは大臼歯の遠心部分の骨量ですよね

これはCTでわかります。遠心移動ができるかどうかは、患者様によっては小臼歯抜歯が必要かどうか?にも関わってきますので、大切なことです。
親知らずがある、なしに関わらず、歯列全体のさらに後方に骨があるのかどうか?というのは、歯の頭の部分だけの歯型(口腔内スキャン)のデータだけでは絶対にわからないのです。

 

そして、もし後方に骨があって、遠心移動ができるプランになって、遠心移動を進めた場合、大臼歯を動かして、さらに小臼歯を遠心移動していく時に重要なことがあります。アンカレッジロスと言って、前歯を動かすタイミングで、今まで後方に動かした臼歯が、引っ張られて前方に戻ってしまうことがあります。

 

そうするとなかなか前歯が下げられないので、臼歯がちゃんと後方に移動できたのかどうか、を途中の段階でCTで確認する場合があります。

つまり、矯正治療前、と、小臼歯の遠心移動が終わり、前歯を下げる直前などに1回CTを撮影して、大臼歯の遠心移動が適正に行われたのかどうか、シミュレーション(クリンチェックなど)と同じくらい目的の量が移動されているのかどうかを確認するといいと考えています。

 

開咬(オープンバイト)の矯正治療のCT撮影のタイミング

オープンバイトは臼歯が噛んでいて前歯が噛んでない状態開咬なんですけど

前歯の挺出量は笑顔の写真を分析して、どのくらいかを分析します。

何ミリ挺出するといいのかなと
それに加えて大臼歯を圧下して下顎を回転されることで噛み込ませていく方法を行う場合が多いです。

挺出移動の場合は、CTが必要ない場合が多いです。引っ張る移動なので、これは骨に関係なくほとんどの場合は引っ張ることができます。(ただし根が曲がっているなどの時には挺出移動でもCTが必要ですね!)

一方、圧下移動のためにはCTを確認します。圧下は骨の中に押し込んでいく移動なので、押し込んでいく方向の骨の幅を確認する必要があります。押し込む方向の骨がすごく狭くなっている場合などには、歯の角度を変えてから圧下しましょう、などが必要になります。

矯正治療を始める前にはCTを撮影した方がいいです

つまり撮影してなかったら骨の形態が三次元でわかりませんので、予測で動かしてみて、動かない場合は骨に当たっていた、というようなことも昔はありました。

 

 

なので、開咬(オープンバイト)の時には、矯正治療前と、前歯の噛み合わせが改善してきて、あともう少し動かす必要がある時、これ以上臼歯を圧下することができるのかな?と確認のためにCTを撮影することがあると考えています。

 

もう少し圧下が必要かなという場合は、闇雲に押し込むだけではなく、歯根の方向を確認したり、骨に当たっている場合は起動を修正して圧下を追加するということをするといいです。

 

過蓋咬合(ディープバイト)の矯正治療のCT撮影のタイミング

過蓋咬合(ディープバイト)は前歯が深く噛んでいる状態です。この場合は前歯の圧下と臼歯の挺出移動が必要になります。

開咬の時にご説明した通り、臼歯の挺出の部分はCTがなくても予測できます。

 

重要なのは前歯を圧下する時ですね。
前歯の圧下する方向に骨がぶつかっている場合は、圧下されません。上顎の下顎も、前歯の部分は骨の幅が薄いことがほとんどです。歯根の幅とほとんど同じくらいの場合もあります。そんな中で、少しでも角度が悪いまま圧下をすると、ほとんどの場合骨に当たってしまって動きません。

つまり矯正治療前に前歯の圧下方向を知るためにCTを撮影します。

 

ある程度前歯を圧下していき、もしもう少し圧下が必要な場合、このままの方向で圧下させていいのか?角度を変えてから圧下した方がいいのか?を一度CT撮影して再評価するのがよろしいのではないかなと考えております。

ガミースマイルが主訴で矯正治療を始めたい!という方も多いですが、ガミースマイルは単に前歯を圧下させるだけでは解決しない場合もあります。また別のブログでも書かせていただきますが、永遠に前歯を圧下させることはできないのです。骨の幅や、骨の高さに限界があるので、そこはCT画像などを一緒に見ていただきながら、どこまでが矯正治療単独で治せる範囲なのか?をご説明させていただきます。

 

抜歯矯正治療のCT撮影のタイミング

抜歯矯正においては、小臼歯を抜歯したスペースへの歯の移動にはそこまでCTが必要にならない場合が多いです。抜歯した直後であれば、ほとんどの場合まだ骨の幅がある状態なので、両隣の歯は動きます。

前歯を下げるための抜歯矯正の場合は、前歯を下げる方向の骨の確認がCTで必要になります。歯を抜かない矯正に比べると、抜歯矯正治療は前歯と犬歯の移動量が多いことがありますので、歯根が動かず歯冠だけが動いていないか?を途中で確認する時もあります。犬歯は歯根が全部の歯の中で一番長いので、この歯根全体をCTで見ることができれば、今まで動きにくいとされていた移動も、確実に動くことができる方向性が決まりやすいと言えます。

 

前歯のリトラクションの半分ぐらいのところに目安でCT撮影して歯根ちゃんと付いてきているのかなっていうのを確認してあげるのはいいんじゃないかなと考えています。

 

側方拡大が必要な矯正治療のCT撮影のタイミング

側方拡大これが一番、歯肉のリセッションだったり、骨の無いところに歯を動かすため、難しくもあり あとCTの能力が最大限発揮できるものなんです。

歯を抜かない非抜歯矯正治療などで多いですね、側方拡大量はCTで確認できます。

例えば、治療前に2ミリ拡大出来るというのが分かりました

その2ミリ拡大した時に、安全の中で拡大しています。でもそれによって歯根が動くことによって骨が付いてくるかもしれません。

つまり目標の拡大のところまで歯を移動させた後に

数カ月後目標まで達成し、その後3カ月後くらいにCTの再度撮影をしてあげるといいかもしれないですね

骨がついてきてさらに余裕があるのか
それともギリギリなのかというのを分析してみてください。

まとめ

どの移動を含む矯正治療の場合でも、前歯を移動させる前のタイミングで再評価していくといいと考えています。前歯を下げたい場合や、前歯のガタガタを配列し終わった直後などです。

CT撮影をすることで、すごく安心して治療が進められると思ってください。

矯正治療のCT撮影のタイミング

今日はですね

・大臼歯の遠心移動
・開咬(オープンバイト)
・過蓋咬合(ディープバイト)
・抜歯矯正
・拡大

の全部で5パターンに分けてCTの撮影の目的や撮影のタイミングで、いつするといいなというお話をさせていただきました

最後までご覧いただきありがとうございます

 

それでは皆さんご機嫌よう
またね!

CT撮影について、症例別に解説している動画がありますので、ぜひこちらもご覧ください↓

 

マウスピース矯正の交換日数はなぜ○日交換なのか?について解説します

皆さん ごきげんよう 尾島です

マウスピース矯正の交換日数って何で1週間交換とか5日交換とか決まっているんですか?

これはよく患者様にも聞いていただくご質問ですね。

これはもう分かりやすく結論からどんと言っちゃった方がいいですか
それとも説明をしっかりした方がいいです?

元々インビザラインのマウスピースはアラインテクノロジーという会社が提供しているシステム(商品名)なんですけどスマイルイノベーション矯正歯科で始まった当初は1枚を2週間交換でした。14日ごとに、次のマウスピースに交換するということです。

今も2週間に1回の交換で交換されている医院もあると思います。
ですが、インビザラインのアラインテクノロジー社(インビザライン社)が公式で「ドクターの判断で1週間に1枚の交換でもいいですよ」という風に発表されました。

じゃあ何で1週間で交換をしてもいいのかというとインビザラインのマウスピースって1枚の移動量が最大0.25mmって決まっているんですね

ということは1週間で0.25mmなので、4週間、大体1カ月で4枚ですから、1mmぐらい移動するということですよね。そういう計算になります。

ワイヤー矯正、マルチブラケット矯正の時代から、大体1カ月に1mmぐらいの移動量というのが基本でした。

歯の周りには歯根があって
歯根の周りの骨が少しずつ
吸収されて歯が動いて
また骨が作られるというのを繰り返して
矯正治療の歯の移動は行われます。

吸収する骨のスピードと体が骨を作るスピードというのが大体1カ月位で1mmという風に計算されているのでワイヤー矯正でも移動量を大体1ヶ月1mmと予測しています。
そのため、マウスピース矯正の場合でも、1ヶ月1mm移動すると考えると、1週間に1枚交換しても良いという計算になります。

ただ場合によっては少し早く交換していいですよという方もいらっしゃいます。

それはどういう時かというと

1つ目は患者さんが凄くしっかりちゃんと使ってくださっている
ちゃんと使ってくださっているのが前提での交換日数になってくるので

1日24時間あるじゃないですか。24時間のうち例えば半分しか使っていなかったりすると半分使って半分動くんだけど残りの半分で歯が戻ってしまいます。結局1週間使っていても戻っているというか、同じ状態になっちゃうんですね

なのでしっかり20時間以上を使っていただくというのを前提でその話が出てくるんですけど、患者さんによってはマウスピースを1日22時間しっかり使っています!という方もいらっしゃって、実際にそのような方のマウスピースは本当に適合が良いです。

そういう方の場合は少し早める場合もあります。

2つ目は歯の移動

この歯の移動は歯根をもの凄く動かすわけじゃなくてちょっと回転させるとか少し傾きを変えるぐらいなので移動量を少しずつ早くしてもいいですよというのがあります。どのような移動をさせているか、どのくらいの量で動かしているかは、先生が決めているので、交換日数も先生が決めていいということになります。会社が決めるわけではありません。

まとめると、

まず1つ目は患者さんの使ってくださっている協力度
2つ目が歯の移動形式
によってマウスピースの交換日数は変わってくるということです。

この移動だったら早くしても大丈夫だよとか
この移動はしっかり使わなきゃだめだよとかがあります

あと3つ目は加速矯正装置というのがあってそれを使うと顎の骨の血流の流れが良くなり、歯が動く時の骨のリモデリングが行われやすくなるという効果がありますのでマウスピースを1週間ではなく早く交換してもいいよというのがあります。加速矯正装置については、別のブログでも解説していますので、みてみてくださいね!

4つ目は形状記憶 シェイプメモリーアライナー
インビザラインのような硬いマウスピースではなくて、最新の新素材の形状記憶のマウスピースというのがあるんですけど形状記憶のマウスピースは1枚の移動量を0.35mm位にする場合もあります。

何でかというと論文があるのですが、インビザラインのような硬いマウスピースに比べて、同じ移動量でも感じる力は10分の1ぐらいのため、移動量を多くしても痛みを感じにくいのです。シェイプメモリーアライナーのマウスピースは、柔らかくできるマウスピースなのです。

シェイプメモリーアライナーのマウスピースはどんなもの?
温度変化によって、柔らかくできるマウスピースです。体温に近い36〜37度で、計画された形状に戻る形状記憶のレジン(プラスチック)を使用しているので、装着時には柔らかくすることで、装着時の痛みを軽減できると言えます。

実際に使用されている患者様からの報告では、
・インビザライン矯正と比べて装着時の圧迫感や痛みが少ない
・ガタガタの歯並びでマウスピースが入れにくい時も簡単に装着できる

などというお声をいただいています。

スマイルイノベーション矯正歯科では、2023年11月現在では400名ぐらいの患者様にご使用いただいています。
初めから新しいシェイプメモリーアライナーのマウスピースの方もいらっしゃいますし、インビザライン矯正でスタートして、途中からこちらのマウスピースを使っている方もいらっしゃいます。

「動いているんですか?これ」という風におっしゃるぐらいの力というか快適さというかそういうのがあるのでその場合は加速装置を使わなくても1枚の移動量が既に速いので加速装置を使わなくても1週間でもインビザライン矯正よりも歯の移動は速いといえます。

 

なのでマウスピースの交換日数というのは先生が判断して

この患者さんはこうした方がいいのかなとかね

これでも対応できるかなというので計算して

先生方が患者様にお話ししてくださっているので

それを基準に頑張っていただけたらいいのかなと考えています

反対にすごくゆっくり進めた方がいい場合はありますか?

マウスピースの交換日数が遅い人ももちろんいらっしゃいます。
10日交換や14日交換でいいですよみたいな場合もあります。

スマイルイノベーション矯正歯科でも、積極的に歯が移動する時には3〜7日交換のことが多いですが、保定に近くなってきて、微調整の時期などには、ゆっくり使用していただく場合もあります。

あんまり使えてないから1枚を1〜2カ月使って本当にちょっとずつ進んでいる人っていると思うんですけどそうするとデメリットってありますか?

交換日数を延ばすことの危険性はないです。数日交換日数がずれる程度は、ほとんど問題ありません。ですが、歯の移動、矯正治療の観点からすると、デメリットはあります。

例えば、元々抜歯矯正の予定で、小臼歯抜歯をしてから3〜4年経ってまだまだゆっくり進めている、、となると、抜歯した部位の骨がなくなってしまって、埋められなくなる場合があります。

抜歯矯正の場合は、抜歯のスペースが閉じるまでは通常のスピードでマウスピースを交換した方がいいと思います。

 

「自分的には5年かかっても良いからゆっくり進めてます」という方もたまにいらっしゃるのですが、生体変化からするとよくない場合もあります。

 

矯正移動している最中というのはどういう変化が起きているかというと骨が硬くなくて骨が柔らかくなっているわけで、歯が動きやすくなっているわけです。

なんでかというと常に吸収されて作られるというのは繰り返されているから柔らかい状態というのはやっぱりあまり噛めないでしょう。ということはご飯もしっかり噛んでいると思っていたとしても噛めてなかったり、なので咀嚼がやっぱり弱いよね。なので動いているようで動いていない感じというのは本当にご飯をいたずらにゆっくり食べているような感じ。

ご飯ってゆっくり食べた方がいいんじゃないですかとは思わない?

それが大体30分ぐらいだったらいいかもしれない
でも4時間食べ続けていたらどうでしょうか?

お口の中に食べ物が入ったりするとどうなるかというと唾液の中の酸がいっぱい出てくるんですよ。殺菌をするために

外からのものって普通は調理されてないじゃないですか、動物の世界って。

だから食べ物をお口の中に入れると酸化するんです。酸が強い唾液が出てくるわけです。普段はPH7なんですけどPH5.5ぐらいに下がるわけです。またご飯を食べなくなるとPHが中性の7になってくるんです

だらだら食いといってね、ずっと飲んで食べている人って何でいけないのというとずっとPHが下がっている状態でずっとお口の中が酸性になってしまうので、歯に穴が空きやすい。虫歯になりやすいって事なんですね

なのでご飯を30分、1時間位だったらいいかもしれないけど4時間、5時間ゆっくりずっと食べていますとそれを1日3回入れますと

5時間を3回やったら15時間PH下がっているわけだからね
全く意味がないじゃない

なので矯正治療というのも、例えば6年間ぐらいやっている方もいますね。
お子さんのような成長期
それはもうしょうがないと思うんです。成長期があるからね

だけど成人の方で、通常は2年くらいで終わる予定のものを、ご自分の判断でマウスピースを移動させるのを遅くしすぎちゃうのというのはそこに医学的な根拠がないです。

医学的な根拠がないということはどういうことかというと治療の効果としてはすごくいい効果じゃなくてちょっと残念なことも出てきちゃう場合があるということです。

ちょっと話が違うかもしれないけど、抜歯をした時に気持ち悪いからぶくぶくをいっぱいしちゃったり血の塊を取っちゃった方がいいかなと思う方がいるんだけどそうすると血が溜まりにくくなるでしょう。かさぶたを取っちゃうような感じだから。だから抜歯をした後に血の塊は取らないでくださいねという医学的な根拠があるわけね。血餅というものがあってかさぶたを作ってくれるから、なのでそこはいたずらにツンツンしたり歯ブラシしちゃったらダメよという根拠があるのを先生が教えてくれます。

矯正治療に限ってもそうで「このスピードで動かしてください、マウスピースを交換してください」というのはちゃんと根拠があるからなのであまり自分の判断で遅くしちゃったり早くしちゃったりするのは良くないんじゃないかなって思っています。担当の先生に聞いて、どの日数がいいですかみたいなのはご相談されるのがいいかもしれませんね。

インビザラインさんが2週間に1回がいいよという風に推奨されていたので長くても2週間ぐらいがいいかもしれないですね

 

 

 

 

最後までご覧いただきありがとうございました

それでは皆さんご機嫌ようまたね!!

動画でも解説していますので、ぜひ参考にしてください ↓↓

マウスピース矯正のアタッチメントはなぜ必要なの?ということについて解説します

皆さんごきげんよう尾島です。
今日はインビザラインあるあるの患者様向けの内容です。

今日はインビザラインあるあるシリーズの患者さん向けの中でも
多くのマウスピース矯正を行っている患者様にとって当てはまるお話をします。

 

インビザライン矯正では、アタッチメントと呼ばれる白い樹脂の白い突起を歯の表面につけることが多いです。

透明なマウスピースを装着するだけで、なぜ歯が動くのか?それには秘密があって、アタッチメントというものが歯を動かすときにサポートしてくれているんですね。このアタッチメントは白いし小さいので、そんなに目立たないのですが、それでも「なぜこの歯にアタッチメントが必要なんだろう?」とか「全部の歯が動いているのに、アタッチメントが付いている歯と付いていない歯があるけどなんで?」とか思いますよね。

 

なので今日はこのアタッチメントというものは何なのかと言う事について
たっぷりお話をしていきますのでぜひ最後までご覧ください。

最後までご覧頂くと「アタッチメントってありがとう」ってこのおかげで私の歯が…みたいな感じになりますのでぜひ最後までご覧ください!

まずアタッチメントとは何かというね歯の表面にレジン(樹脂)プラスチックです、レジンを接着してアライナーが歯のコントロールをしやすくするために付けるものです。つまり歯の表面に、歯と同じ白い材料でピタッと接着する訳です。アタッチメントは歯の色と同じで、特に目立ちません。

余程「ん?」って見ているね「何か付いてる?」っていうのを見つけた人は多分あなたの事を好きなんでしょうね。

なので、気付かれた!じゃなくて、あ、この人は私の事をいっぱい見てくれてありがとうございますって感じで気持ちを切り替えてくださいね

このアタッチメントを付ける事で先ほどお話ししたように
歯のコントロールをしやすくするというのはどういう事?ってことなんですけど

歯というのは皆さんが見えてるのは歯冠と言って歯の頭の部分だけなんですけど実は歯肉の下に歯根という根っこがあってさらに骨があるんです

この歯を動かそうとした時に、マウスピースが歯をつかんで歯を動かすわけですが、何もないと歯は丸い形態をしているのでマウスピースが滑ってズレてしまいますよね。そういう時にこのアタッチメントがある事によって引っかかりが出来るので、歯をぐっと引っ張るような挺出っていうんですけど挺出移動などもする事が出来るようになります。

マウスピース矯正を成功するための鍵は、マウスピースがしっかり歯を掴むことにあります。せっかく患者様がマウスピースをしっかり使っていても、マウスピースが歯を掴むことができなければ目的の移動コントロールができないからです。

そう考えると、アタッチメント君ありがとうございます!と
言いたくなりませんか。

つまりインビザライン矯正のマウスピースだけだと移動しにくい歯のコントロールや、歯の形態があります。
「マウスピース矯正では歯が動かない」という場合は、もしかするとこのアタッチメントの種類や設置方法に問題がある場合も考えられますね。
アタッチメントのコントロールもとても重要です。

インビザラインのシミュレーションは、先生がそれぞれ細かく治療計画を作成しますが、この時にアタッチメントの種類なども先生が決定するからです。

アタッチメントは、全部ガチッとくっついて初めて、複雑な歯の移動が可能になるんですね。

ありがたい!
アタッチメントいっぱい付けたい!

・・・

そういう訳でも無いんです
そういう訳でも無いんですよ!!!

スマイルイノベーション矯正歯科でもインビザライン矯正治療を開始した2006年頃、もう16年前くらいになります。
その時は、
歯を移動するためには、何かしら装置をつけないと動かないでしょうと思っていました。だから初めの頃は全部の歯にアタッチメントをつけてたんです。

アタッチメントが付いているほど、ちゃんと動くんじゃないかと思っていました。多い方がいいに決まっている、なんて。
前歯から奥歯まで、全部の歯にです。(16年前の話です!)

でもねそうすると、大変な事がありました。
アタッチメントがいっぱい付いてるとマウスピースが外せないんです。

んっ!無理!
で無理に外そうとすると

アタッチメントがバリって取れたりとかね。

昔のインビザラインのマウスピースの素材は、今に比べるとかなり硬かったので余計、アタッチメントが外れちゃう、というのが何度もありました。

1個、2個ならいいのですが、一気に10個とか外れる時もあって、それはもう大変でした。

なので今は歯にアタッチメントを付けることはありますが、この歯には付ける、付けないっていうのを色々分けてます。
全部付ければいいという訳じゃないんですね!
奥が深いですねそこの部分がね

それを考えながら付けていくんですけども

まず代表的なのがね挺出移動
歯を引っ張り出す時に、こレはほとんどの場合でアタッチメントが必要です。

 

アタッチメントがあるとガチっと引っかかりますので、挺出移動にはアタッチメントがあった方がいいかと思います。
オープンバイトの患者様では、前歯を挺出、引っ張ることがありますので、その場合はその移動の時だけ前歯にアタッチメントを付けさせていただくことがあります。

アタッチメントがある事によってより適合が良くなるので前歯の細かいコントロールが出来る様になります。

前歯を綺麗に並べたいなって時にもアタッチメントがあった方がいいです

歯軸だったり、角度を変えたりとかそういう事が出来るんです

アタッチメントがある事によって更に細かく、コントロールできると思っていただけると嬉しいです。

次に近遠心移動、手前とか奥とか横に動かしたりする時にもアタッチメントがある事によって歯体移動がしやすくなります。

傾斜しないで歯体移動したい時にもアタッチメントが必要な場合が多いです。

 

あと回転移動ですね、傾いている奥歯を起き上がらせたり、前歯がねじれていたりする捻転という状態の場合にもアタッチメントをつけることがあります。

じゃあもうアタッチメント全部必要やん!てね
それをどのタイミングでどの歯に付けるのかっていうのも

先生方が全部決めてるんです!

マウスピース矯正で多くの方に知っていただきたいことは
歯型を取ったら全部自動的にシミュレーションができたり、アタッチメントが決まったり、するわけではないのです。仮のプランはインビザライン社さんが作って送ってくれますが、それを元に細かいところは修正しないと良いプランにはなりません。
なので、先生方のコントロール次第で、治療結果は大きく変わってきます!

 

アタッチメントの数や、タイミング、大きさや形など、患者様ごとに必要なものを決定していきます。

今日はマウスピース矯正でよく聞く、アタッチメントというものはなぜ必要なの?ということに付いてお話ししました。

アタッチメントをできるだけ付けたくない時はどうすればいいの?

そうですね。
例えばワイヤー矯正をします!という時に「金属の装置とワイヤーを付けたくないんです、、」ということになると矯正治療できません。
インビザライン矯正の場合はほとんどの場合で「アタッチメントは装着した方がいい」と考えています。これは僕が16年インビザライン矯正治療をやってきて、その結果、そう考えています。

最近は、インハウスシステムによるマウスピース矯正治療を行うようになってきて、少し変わってきています。他のブログでも書かせていただいていますが、インハウスとなると、マウスピースの形態を変えたりすることができるので、アタッチメントをかなり減らせています。

今、スマイルイノベーション矯正歯科でインハウスシステムのマウスピース矯正で矯正治療をスタートする患者様は、アタッチメントを装着せずに治療をスタートしています。

本当にアタッチメントが嫌だ!という場合は、そういう新しいマウスピース矯正治療での矯正治療を検討されてもいいかもしれませんね。

もちろん、必要な時もありますので、まずは先生に相談してみてくださいね。

最後までご覧頂きありがとうございました

それでは皆さんごきげんよう

 アタッチメントについては動画でも解説していますのでぜひご覧ください↓