今日は、矯正相談の際に非常に多くの方が心配される**「抜歯(歯を抜くこと)」**について、詳しくお話ししていきたいと思います。
「歯並びがガタガタだから、飛び出している歯を抜くのかな?」 「八重歯がコンプレックスだから、歯を抜けばいいの?」 そんな疑問をお持ちの方は、ぜひ最後まで読んでみてくださいね。
1. 「八重歯」を抜くことは、ほとんどありません!
結論から言うと、飛び出している「八重歯(犬歯)」を抜くことは、特別な理由がない限りまずありません。
見た目が気になると、「この出っ張っている歯を抜けばスッキリするのでは?」と思われがちですが、実はこの歯、お口の中で**「超・重要ポジション」**を担っているんです。
野球チームで例えるなら、投打に大活躍する大谷翔平選手のような存在。チームに欠かせない大黒柱を外すわけにはいきませんよね。
犬歯(3番目の歯)が大切な2つの理由
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根っこが長くて丈夫: お口の中で最も根っこが長く、最後まで残りやすい「寿命の長い歯」です。
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奥歯を守る「ガードマン」: 顎を横に動かしたとき、上下の犬歯が真っ先にぶつかって、奥歯が強く擦れ合うのを防いでくれます(これを犬歯誘導と言います)。これによって、奥歯の寿命がぐんと延びるのです。
ですので、八重歯がどんなに高い位置にあっても、私たちは矯正治療で「正しい位置」まで誘導して、一生使い続けられるように計画を立てます。
2. じゃあ、どの歯を抜くの?
スペースを作るために抜歯が必要な場合、一般的には犬歯のすぐ後ろにある**「第一小臼歯(前から4番目の歯)」**を抜くのがオーソドックスな方法です。
「内側に入り込んでいる前歯」がある場合も、その歯を抜くのではなく、やはり後ろの4番目の歯を抜いてスペースを作り、ガタガタな前歯をきれいに並べ直す方が、最終的な見た目も噛み合わせも美しく仕上がります。
※ただし、例外として「すでに神経がない歯」や「大きな虫歯がある歯」がある場合は、そちらを優先して抜くなど、お口全体の健康を考えて柔軟にプランを立てることもあります。
3. 「見た目」と「機能」を両立させるために
矯正治療のゴールは、単に歯をきれいに並べることだけではありません。 先ほどお話しした**「犬歯誘導」**ができる噛み合わせを作ることで、将来的に歯がボロボロになるリスクを減らし、一生自分の歯でおいしく食事ができるようにすることです。
八重歯を正しい位置に並べるのは少し時間がかかることもありますが、仕上がった時の喜びと、将来へのメリットは計り知れません。
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