マウスピース矯正NG?抜歯矯正はマウスピース矯正では治せないというのは本当か?解説します

「抜歯が必要な歯並びだけど、マウスピースでは治せませんと言われた…」 そんなお悩みを持つ方は多いのではないでしょうか。

今回は、数多くの抜歯症例をアライナー(マウスピース)で治療し、世界中にその論文を発表している尾島賢治先生が、この疑問にズバッとお答えします!

結論:マウスピースで「抜歯矯正」はできるの?

結論から言うと、「できます」。ただし、重要なのは「先生による」という点です。

  • 18年前から論文がある: 世界的には2006年にはすでに「小臼歯4本抜歯」の論文が出ています。
  • 尾島先生チームの実績: 2014年に世界的なジャーナルで抜歯症例の論文を発表し、2020年にも「抜歯×加速矯正」の論文を出しています。

つまり、技術的には確立されています。しかし、その先生が「ワイヤーの方がいい」と言うなら、その先生はワイヤー矯正が得意なのだと理解するのが良いでしょう。うなぎ屋さんで「今日はお寿司がいい」と言っても難しいのと同じで、ドクターそれぞれの得意なアプローチがあるのです。

⚠️ マウスピースで抜歯矯正をする際のリスクと条件

「できる」とは言っても、どんな場合でもOKというわけではありません。以下の3つのポイントが重要です。

① 「歯の状態」による限界

例えば、重度の歯周病などで奥歯を支える骨がない場合、そこを「固定源(支え)」にして前歯を下げることができません。これはマウスピースがダメなのではなく、「歯と骨の状態」によって抜歯治療そのものが難しいケースです。

② 骨の幅という「物理的な限界」

歯は骨があるところでしか動きません。特に下の前歯などは、CTを撮ると動かせる幅に限界があることがわかります。「抜歯したから無限に下げられる」わけではなく、骨格のキャパシティに合わせる必要があります。

③ 患者様の「協力度」がすべて

マウスピース矯正の最大のリスクは、「使わないと動かない」ことです。

  • 使用時間が短いと、抜歯したスペースが閉じきらないことがあります。
  • 隙間ができるので、徹底した歯ブラシ(清掃)をしないと虫歯や歯周病のリスクが高まります。

世界の「抜歯矯正」事情

海外ではどうなのか、尾島先生に聞いてみました!

  • アメリカ: 「パシッと綺麗なEライン、真っ白な歯」という美意識が強いため、抜歯矯正は比較的多い傾向。
  • ヨーロッパ: ドイツなどは16歳未満に矯正の保険制度があり、早い段階でガタガタを直す(予防的な矯正)ため、大人になってからの抜歯矯正は少なめ。
  • 日本: 骨格的に顎が小さく、歯が並びきらない「ガタガタ(叢生)」が多いため、抜歯が必要になるケースは少なくありません。

最後に

抜歯矯正をマウスピースでやりたいなら、「抜歯症例の経験が豊富な先生」に相談するのが一番です。

矯正治療は期間も長く大変なこともありますが、歯が動いていく変化を見るのはとても楽しいものです。まずはCTや精密検査をして、自分のお口の中で「何ミリ移動が可能なのか」をしっかり分析してもらうことから始めましょう!

 

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尾島賢治先生の無料矯正相談

インビザライン矯正の抜歯矯正の「難しい」ポイントを解説します

マウスピース矯正で「抜歯矯正」が難しい理由とは?

こんにちは!今回は患者さまからよくいただく質問「なぜマウスピース矯正では抜歯矯正が難しいのですか?」についてわかりやすく解説します。

「抜歯ならワイヤー矯正で」と言われた経験はありませんか?

他のクリニックで「出っ歯などの場合、当院ではワイヤー矯正になります」と言われて、相談に来られる患者さまは少なくありません。

実は、マウスピース矯正で抜歯症例を扱えるドクターは、世界的に見ても非常に少ないのが現状です。今回は、その理由を4つのポイントから解説します。

マウスピースで抜歯矯正が難しい4つの理由

1. 歯の移動量が非常に多い

抜歯矯正が必要な方の多くは、出っ歯などを改善したいケースです。そのため、前歯4本と犬歯2本を大幅に後ろに下げる必要があります。

しかも、ただ下げるだけでなく:

  • 見た目に影響する部分なので、美しく仕上げる必要がある
  • 水平方向だけでなく、垂直方向(上下)の移動も必要な場合が多い
  • 専門的には「リトラクション(後方移動)」と「圧下(上方移動)」を同時に行う

このような複雑で大幅な移動が求められるため、高度な技術が必要になります。

2. 同じ素材でコントロールする難しさ

ワイヤー矯正の場合:

  • 最初は細く柔らかいワイヤーから始める
  • 徐々に太く硬いワイヤーに変えていく
  • 段階的に力をコントロールできる

マウスピース矯正の場合:

  • 最初から最後まで同じ素材(マウスピース)を使用
  • 一定の素材で複雑な移動をコントロールする必要がある

そのため、マウスピース矯正では:

  • 高度な治療戦略が必要
  • 歯の根っこが骨にどう入っているかなど、解剖学的な知識が重要
  • 一つの素材で多様な動きを実現する技術が求められる

3. 前歯の移動特有の難しさ

抜歯矯正では前歯4本と犬歯2本を動かしますが:

  • 「せっかく抜歯したのに、少ししか動いていない」では意味がない
  • 顔貌(お顔の印象)が変わるほどの大幅な変化が必要
  • 場合によってはミニスクリュー(矯正用アンカー)も使用

このような大きな変化を、美しく仕上げる技術が求められます。

4. 世界的に見ても症例・ドクターが少ない

これが最も決定的な理由です。

  • マウスピースで抜歯矯正をしている先生が世界的に少ない
  • 非抜歯症例(歯を抜かない矯正)は多いが、抜歯症例は圧倒的に少ない
  • 症例が少ない=学べる機会が少ない=技術向上の機会が限られる

当院の院長は:

  • 2014年と2020年に、マウスピースでの抜歯矯正に関する世界的な論文を発表
  • 実際には2006年頃から抜歯症例をマウスピースで治療
  • 海外から抜歯矯正の講演依頼を受けるほど、この分野の専門家

このような豊富な経験を持つドクターが少ないため、多くのクリニックでは「抜歯ならワイヤー」となるのが現状です。

非抜歯矯正(歯を抜かない矯正)の場合は?

非抜歯矯正がマウスピースで「簡単」というわけではありませんが、抜歯矯正に比べると難易度は下がります。

その理由:

  • 歯の移動量が抜歯症例より少ない
  • 抜歯した空間がないため、マウスピースがたわみにくい
  • 既存の歯列内での調整なので、コントロールしやすい
  • 症例数が多いため、学べる機会も多い

ただし、非抜歯でも技術は必要です。ワイヤー矯正においても、抜歯症例の方が非抜歯より難易度が高いのと同じです。

「抜歯が必要」と言われた患者さまへ

他のクリニックで「抜歯が必要だけど、当院ではマウスピースでは対応できない」と言われた方も、マウスピースでの抜歯矯正を専門的に扱っているクリニックなら対応可能な場合があります。

当院では抜歯症例もマウスピース矯正で対応しております。気になる方はぜひカウンセリングにお越しください。

まとめ: マウスピースでの抜歯矯正が難しい理由は、移動量の多さ、同一素材でのコントロールの難しさ、前歯移動の複雑さ、そして何より経験豊富なドクターが少ないことです。しかし、適切な技術と経験を持つドクターであれば、マウスピースでも美しい抜歯矯正が可能です!

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