世界最大の矯正歯科学会「AAO 2026」に院長が登壇——満席の会場で、形状記憶アライナーの臨床成果を世界へ発信しました

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2026年5月3日、アメリカ・フロリダ州オーランドで開催された「AAO Annual Session 2026(アメリカ矯正歯科学会 年次総会)」に、院長・尾島賢治がメインスピーカーとして登壇しました。

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世界80カ国以上から1万人を超える矯正専門家が集うこの学会で、形状記憶アライナー(シェイプメモリーアライナー)をテーマにした講演を行い、会場は満席となりました。今回は、学会の概要と講演の内容、そして当院が取り組んでいる最新の矯正治療についてご報告します。
 

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■ アメリカ矯正歯科学会(AAO)とは
 
AAO(American Association of Orthodontists:アメリカ矯正歯科学会)は、矯正歯科の分野で世界最大規模を誇る専門学会です。1900年に設立され、現在は世界中の矯正専門医・研究者・歯科関係者が所属しています。
 
毎年開催される「AAO Annual Session(年次総会)」は、「The World's Greatest Celebration of Orthodontics™(世界最高の矯正歯科の祭典)」とも称され、矯正歯科の「今」と「未来」を世界規模で共有する、この分野で最も権威ある国際学術集会です。
 
今年の開催地はフロリダ州オーランド。参加国は80カ国以上、参加者数は1万人を超え、200以上の教育セッションと350社を超える矯正歯科関連企業の展示が行われました。最新のアライナーシステム、口腔内スキャナー、3Dプリンター、AIを活用した診断ソフトウェアなど、矯正治療の最前線が一堂に集まる場です。
 
この学会のメインプログラムに登壇すること自体、その分野における国際的な専門性と実績が認められた証であり、大変光栄です。
 
 
■ 院長・尾島賢治のAAO登壇は、今回で3度目です
 
実は、院長がAAOで講演するのは今回が初めてではありません。2018年(シカゴ開催)、2021年(オンライン)に続き、今回が3度目の登壇となります。
 
その歩みを振り返ると、マウスピース矯正の最前線がどのように進化してきたかがよくわかります。
 
2018年の初登壇では、すべての症例をインビザライン(従来型マウスピース矯正)で構成しました。当時の最先端であるデジタルアライナー矯正の臨床成果、またオルソパルスを使った加速矯正治療を、世界に向けて発表した講演でした。
 
2021年の講演では、インビザラインの症例をメインにしながら、新たに治療が進んでいた形状記憶アライナーの可能性を一部ご紹介しました。「次の時代が来る」という確信を持ち始めた、転換点となる発表でした。
 
そして2026年。今回の講演で発表したすべての症例が、形状記憶アライナー(シェイプメモリーアライナー)によるものです。「可能性の紹介」から「完成した臨床システムの確立」へ——8年間の進化の集大成を、世界最大の矯正歯科学会の舞台で発表しました。

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■ 講演タイトルと内容について
 
講演タイトルは「Direct-Printed Aligners: Advancing Precision and Efficiency in Orthodontic Care(ダイレクトプリントアライナー:矯正治療における精度と効率の進化)」。
 
2026年5月3日(日)12:30〜13:15、Innovation & Tech Talk セッション(OCCC Room W308)にて行われ、会場は当日満席となりました。
 
講演では、メタクリレート系光重合樹脂(形状記憶クリアアライナー樹脂)を用いた直接3Dプリント型アライナーの臨床応用について、実際の症例をもとに発表しました。具体的には、以下の3つのテーマを中心に解説しました。
 
1つ目は、アライナーの厚みや形態・マージンライン・バイトランプといったカスタマイズ設計による、3Dプリントアライナーの臨床的優位性です。それぞれの歯に最適な矯正力を精密に届けるための設計アプローチをご紹介しました。またそれによりアタッチメントをつけずにアライナー矯正治療が可能になるという画期的な、まさに従来のアライナー矯正治療からの大きな変化についてお伝えしました。
 
2つ目は、デジタルセットアップから3Dプリント・後処理までの完全なワークフローです。いかに効率よく、精度高くアライナーを製作・提供できるかという、実際の診療に直結する内容です。素材が新しくなるだけではなく、治療のステップや治療計画(ステージング)の作り方も大きく変化しました。インハウスアライナーだからこその利点や、従来のアライナーシステムからの脱却について、先生方にお伝えできていればと思います。
 
3つ目は、TC-85DAC樹脂の材料特性と臨床的メリットの分析です。この樹脂の生体力学的な特性と、どのような症例に適しているかという判断基準についてお伝えしました。新しい素材についての研究は、各大学がすでに研究発表を多くされています。我々は、臨床歯科医としての立場から、多くの症例を通して素材の利点についてお話ししました。

今回は、非抜歯叢生、非抜歯開咬、過蓋咬合、重度叢生、抜歯矯正、抜歯開咬、外科的矯正サージェリーファースト、インターディシプリナリー、欠損補綴症例、インプラント治療との併用、拡大症例、MSEとの併用、ベネフィットシステムとの併用など、多岐に渡る症例がすでにシェイプメモリーアライナーを使用して完了していましたので、症例を多く発表させていただきました。

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■ 形状記憶アライナー(シェイプメモリーアライナー)とは
 
マウスピース矯正(アライナー矯正)という言葉はすでに広く知られていますが、「形状記憶アライナー」「シェイプメモリーアライナー」はその製法が根本的に異なります。
 
従来のマウスピース矯正は、薄いプラスチックシートを型に合わせて熱で成形する「熱成形」という方法でアライナーを製作していました。一方、3Dプリントアライナーは光硬化性の特殊樹脂を使って、マウスピースをそのまま直接3Dプリントします。
 
この違いによって、いくつかの大きなメリットが生まれます。
 
まず、精密な力のコントロールが可能になります。厚みや形状を歯ごとに細かく設計できるため、それぞれの歯に最適な矯正力を届けることができます。「どの歯をどの方向にどれだけ動かすか」をより精密にコントロールできるのが特徴です。
 
次に、カスタムデザインの自由度が高まります。バイトランプ(かみ合わせを助ける突起)やパラタルバーなど、患者様の症例に合わせた機能をアライナーに組み込むことができます。アタッチメントを減らすことができます。それによりチェアサイドの時間も少なくなります。
 
また、デジタルで完結するワークフローにより、口腔内スキャンからデジタル設計・3Dプリント・お渡しまでが一貫して管理できます。製作の精度が安定し、より短い時間で高品質なアライナーを提供できるようになりました。
 
さらに、使用するTC-85DAC樹脂(形状記憶クリアアライナー樹脂)は、口腔内で適切な弾性を保ちながら、設計通りの矯正力を持続的に発揮する特性を持っています。装着時の快適さと治療効果を両立した素材です。
 
 
■ 世界が注目する理由
 
AAO 2026のプログラム全体を通じて感じたのは、「アライナー矯正」「3Dプリント」「AIによる治療計画」が今年の三大テーマとも言えるほど注目を集めていたことです。
 
その中でも、ダイレクトプリントアライナーのセッションには特に大きな関心が寄せられました。従来のアライナー製造では「設計→モデル製作→熱成形」と複数の工程が必要でしたが、3Dプリントによりこの工程が大幅に短縮されます。品質のばらつきが減り、複雑な症例への対応力も上がる——この変化は、矯正治療のあり方そのものを変える可能性を持っています。企業依存型のアライナー矯正のシステムは企業に制約されたルールも多くあります。インハウスアライナー矯正は、まさに「アライナー矯正治療の上位機種」と言えます。
 
また、アライナー矯正全体の適応範囲も大きく広がっています。かつては「軽度〜中等度の症例向け」とされていたマウスピース矯正が、今では重度の歯並び・かみ合わせの問題にも対応できるレベルに進化しています。アタッチメントの設計改良、矯正用インプラント(TAD)との組み合わせ、そして形状記憶素材の活用によって、適応症例は飛躍的に広がりました。
 
今回のAAOでもう一つ印象的だったのは、世界中の矯正専門医たちが「システムそのものより、診断力・設計力・症例管理力が治療結果を左右する」という考え方を共有していたことです。どんなに優れたテクノロジーも、それを使いこなす臨床力なしには成果につながらない——この本質は、スマイルイノベーション矯正歯科が長年大切にしてきた姿勢と一致しています。
 
当院は、この技術の臨床応用に日本でいち早く取り組んできました。AAOという世界最大の舞台で、満席の会場に向けて発表できたことは、その取り組みが世界水準で評価されたことを意味していると感じています。
 

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■ 尾島院長より
 
世界中の矯正専門医が集うAAOの舞台で、日本から持参した臨床データと症例を発表できたことを、大変光栄に思っています。満席の会場で多くの先生方が真剣に耳を傾けてくださったことは、この技術への期待の大きさを改めて実感させてくれる経験でした。
 
私が一貫してこだわってきたのは、最新技術を「使いこなす」ことです。どれほど優れた素材や機械があっても、正確な診断と緻密な治療設計がなければ、患者さんの笑顔にはつながりません。形状記憶アライナーも同じです。テクノロジーはあくまで手段であり、目的は患者さん一人ひとりにとっての最善の治療結果です。
 
2018年から続けてきたAAOでの発表を通じて、世界の矯正歯科の流れを肌で感じながら、その最前線を当院の診療に還元し続けてきました。今後もこうした世界最先端の知見を積極的に取り入れ、患者様にとってより良い治療をご提供してまいります。
 
歯並びやかみ合わせに関するお悩みは、どんな些細なことでもお気軽にご相談ください。
 
尾島賢治先生の無料矯正相談

抜歯矯正が必要な場合に抜歯矯正以外の解決方法があるのか?解説します

「抜歯矯正に踏み出せない…矯正は諦めるべき?」への答え

こんにちは!今回は、多くの患者さまが悩まれる「抜歯矯正に踏み出せない」というお悩みについてお話しします。

先生が抜歯を勧める理由

まず理解していただきたいのは、ドクターが抜歯矯正を勧めるのには明確な理由があるということです。

抜歯が必要と判断される主なケース:

  1. 前歯が出ている(出っ歯)を改善したい
    • 抜歯してスペースを作り、前歯を後ろに下げる必要がある
  2. 歯を並べるスペースが足りない
    • 非抜歯で無理に並べようとすると、歯列を広げすぎてしまう
    • 歯列が広がりすぎると、骨から歯が出てしまうリスクがある

つまり、ドクターは患者さまのお口の健康と美しい仕上がりのために抜歯を提案しているのです。

抜歯に踏み出せないあなたへ:「外科矯正」という選択肢

「抜歯が必要と言われたけれど、どうしても歯を抜きたくない…」

そんな方には、**外科矯正(げかきょうせい)**という選択肢があります。

外科矯正とは?

骨格そのものを変える治療法です。別名「骨切り(こつきり)」とも呼ばれます。

  • 非抜歯で並べると極端な出っ歯になってしまうケース
  • 歯がガタガタで、スペースが大幅に足りないケース

こういった場合でも、顎の骨を切断して位置を調整することで、抜歯せずに治療できる可能性があります。

外科矯正の2つのタイプ

1. 保険適用の外科矯正(従来型)

特徴:

  • 「顎変形症」の診断を受けた場合に保険が適用される
  • 決められたルールに従う必要がある

治療の流れ:

  1. ワイヤー矯正で術前矯正(約1年半)
  2. 手術
  3. 術後矯正
  4. 治療期間:約3〜3年半
  5. 使用装置:メタル(金属)のワイヤー

費用:

  • 保険適用のため、比較的負担が軽い

2. 自費診療の外科矯正「サージェリーファースト」

特徴:

  • その名の通り「手術を先にする」アプローチ
  • 全額自己負担(矯正費用+手術費用)

治療の流れ:

  1. 先に手術
  2. その後、矯正治療

サージェリーファーストのメリット:

① 骨格の改善が早い

  • 先に手術をするため、お顔の印象が早い段階で改善される
  • 患者さまにとって嬉しい変化を早く実感できる

② RAP効果が活用できる

手術後は「RAP効果(リージナル・アクセラレーション・フェノミナ)」という現象が起きます。

  • 手術により血流が良くなる
  • 歯が動きやすい期間が訪れる
  • この「歯が動きやすいタイミング」で矯正治療ができる

従来型では、術前矯正に1年半かかるため、このRAP効果を十分に活用できるのは術後矯正の段階。一方、サージェリーファーストなら、手術直後の「歯が動きやすい時期」をフル活用できます。

デメリット:

  • 全額自費診療のため、費用負担が大きい

それでも決められない場合は?

ドクターが「抜歯しないと治らない」と説明しているにもかかわらず、どうしても抜歯に踏み出せない場合、以下の選択肢もあります。

今は治療を始めない

理由:

  • 抜歯が必要なケースを非抜歯で無理に治療すると、かえって悪化する可能性がある
  • 中途半端な治療よりも、気持ちが整うまで待つ方が良い場合もある

矯正治療は長期間にわたるものです。納得して前向きに取り組める状態になるまで待つことも、一つの賢明な選択です。

まとめ:諦める必要はありません

「抜歯矯正に踏み出せない」からといって、矯正治療を諦める必要はありません。

あなたの選択肢:

  1. 外科矯正(保険適用)を検討する
    • 顎変形症の診断があれば、保険でカバーできる
  2. サージェリーファースト(自費)を検討する
    • 早期改善とRAP効果を活用したい方に
  3. 気持ちが整うまで待つ
    • 納得できる状態になってから治療開始

大切なのは、あなたが納得して前向きに治療に臨めることです。不安や疑問がある場合は、担当ドクターとじっくり相談し、複数の選択肢を比較検討してみてください。

外科矯正についてもっと詳しく知りたい方は、ぜひカウンセリングにお越しください。あなたに最適な治療法を一緒に考えましょう!

こちらの内容は動画でもご覧いただけます

尾島賢治先生の無料矯正相談